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サッカー フットサル コラム 2023年4月14日

日立台が赤く染まった日~ある実況者のホームゲーム~(再掲載)

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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そのホテルの駐車場で車中泊していた畑実と森川泰臣からは、厳しい現実を知らされた。「選手たちからも『テレビ見てましたよ。大変だったでしょ』と言われたり、清武(功暉)は『クラブハウスで寝ています。監督と一緒に寝ました』とか、そんな感じでしたね」。その時に決意した。「僕は実況アナウンサーでもありますけど、一放送局のアナウンサーなので、ゲームの実況だけではなくて、取材して伝えるというのも仕事としてあるんです。だから、彼らがいかに熊本のことを想って、熊本のために行動しているかと、なおかつ練習もしているという姿を番組を通して伝えようと思っていました」。

迷いは消えた。いや、正確に言えば迷っている余裕すらなかったのかもしれない。「今の彼らの姿を見て凄く誇りに思ったので、彼らと一緒に自分もできることは最大限やろうと。地震対応と熊本県内でも他のスポーツのチームも色々な復興支援活動をやっているので、それも取材しています。放送局に務めるアナウンサーとして、異常な仕事量で仕事はしていますね」。一心不乱に取材を繰り返し、テレビを通じてその光景を視聴者へ伝え続けた。

リーグ戦の再開は5月15日にアウェイで行われる千葉戦に決まる。山崎はすぐに信頼のおけるスカパー!のスタッフに電話を入れた。「自分がやりたいというよりも、僕はロアッソの選手の姿を見ているから、それは僕しか伝えられないことだと思ったので、『15日のピッチレポーターをやらせて下さい』と言いました」。快諾が得られ、日々の取材と並行して約1ヶ月後の中継に向けての準備も進めていく。ところが、実際にその日が近付くにつれて、山崎の想像とは異なっていたことがあった。

「その時は1ヶ月先だから熊本の環境もロアッソももっと落ち着いていると思ったんです。だから、勢いというか『熊本の復帰ゲームは自分が喋らないかんやろ』みたいな感じでしたけど、今も全然落ち着いていないですからね。ようやく先週に避難者数が1万人を割り込んだというぐらいなので、まだまだ熊本は震災の影響に苦しんでいます」。依然として復興への道も先行きが不透明な中で、ロアッソがJリーグの舞台に帰ってくる日は訪れる。

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