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攻守ともに、本当に粘り強かった。
選手が走って球際に人数をかけること。それが、成功のカギだった。1対1の勝負でボールがこぼれると、選手間の距離を短くした岡山学芸館の選手がボールを拾う確率が高くなる。
しかも、圧倒的な力のある選手はいないにしても、それぞれが個人でボールを運べるだけのテクニックを持っているから、相手はボール保持者に集中せざるをえず、余計にフォローしてくる岡山学芸館の選手がボールを確保する可能性は高くなる。
そして、ボールを持った時の前に行く意識が高いのも強みだった。東山との決勝戦での先制ゴールが相手のオウンゴールという形で生まれたのは、攻撃のスピードのおかげだった。
準決勝の神村学園戦でも、岡山学芸館は前半の6分という早い時間に先制ゴールを奪って優位に立った。田辺望が左に開いて岡村温叶がクロスを入れて田口裕真がヘディングで決めるというシンプルだが手数を懸けない攻撃が功を奏した。これも、キックオフ直後からボールを前に運ぼうという意識の高さによるものだ。
大会は大接戦。そして、PK戦での勝ち抜きが結果につながった(優勝した岡山学芸館も3回戦と準決勝がPK勝ち)。それだけに、勝ち残ったチームは必ずしも大会のベストチームだとは言い切れない。「どこが優勝していてもおかしくない」というのはよく使われるフレーズだが、今大会ほどそれを実感できる大会はなかった。
けっして日本最強ではないチームが、大会期間中にチームの完成度を上げて、それが結果に結びついた。そんな大会だったということができる。
しかも、U-18世代は高体連のチームとJリーグクラブの下部組織などのクラブチームが拮抗した関係にあり、この年代の日本代表に招集されるのはクラブ側の選手が多い。
つまり、決勝戦を戦った選手たちは、けっしてこの年代の最高の選手たちだったわけではない。つまり、ある意味で日本のこの年代の“平均的な”チームによる戦いだったのだ。
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