長いレギュラーシーズンのラスト２節 Ｆリーグ駒沢セントラル開催プレビュー

プレーオフ行きの３位争いは大阪が有利
すみだは２連勝にかける

昨年5月からスタートした長い戦いも、ようやくラスト2節。Fリーグ2019／2020は今週末の3連休（1月11日～13日）でレギュラーシーズンの最後の32節、33節を行う。J SPORTSでも全試合が放送される。

東京の駒沢屋内球技場にリーグ参加12チームが集まり、3日間で12試合を行うセントラル開催だ。2007年のFリーグスタート時からホーム＆アウェー戦と共に採用され、定期的に全国のチームをまとめて観ることができたこのシステム。しかしリーグは、来シーズンはホーム＆アウェーの2回戦制を採用すると発表している。つまり、今回はひとまず区切りのセントラル開催となる予定だ。

リーグはこのレギュラーシーズンで順位を決めたあと、上位3チームで優勝チームを決めるプレーオフを翌週から実施する。1月18日と19日には、2位チームと3位チームが準決勝を行い、勝利したチームが1月25日と26日の決勝を1位チームと戦う。

すでに名古屋オーシャンズが1位、バサジィ大分が2位でのプレーオフ行きを決めている。残る1枠は現在3位のシュライカー大阪（勝ち点61）と4位フウガドールすみだ（勝ち点56）の争いになっているが、勝ち点5差でリードする大阪が有利な状況だ。11日の戦いですみだが負けたり、大阪が勝利すると、大阪のプレーオフ行きが決まる。

名古屋と大分が早い段階で、集団から抜けた順位争いのなかで、大阪とすみだの3位争いはかなり激しいものがあった。途中まではすみだが3位につけていたが、3回戦制の第2クールの途中から、4位だった大阪との順位が5度入れ替わって現在がある。

大阪は第3クールに入って相井忍やアルトゥールが得点源となってチームを引っ張ってきた。日本代表候補の田村友貴にもゴールが多い。長くチームを支えてきて、今季限りの引退を発表した稲田瑞穂のプレーにも注目だ。今回のセントラルは立川・府中アスレティックFC（7位）、湘南ベルマーレ（6位）と力のある2チームと対戦するが、今の調子であれば順調に勝ち点を取りそうだ。

一方のすみだは2連勝を目指して戦い、大阪の結果を待つ身。前節はこれまでリーグで一度しか勝ったことがない名古屋に勝利し、驚異の粘りを見せてここまで来た。第3クールに入っても依然としてガリンシャが調子よくゴールを取り続けているが、名古屋戦でゴールを挙げた、田口元気や中田秀人らの日本代表候補のプレーにも期待ができる。

下位チームの最終順位争いにも注目点あり。
長野は初勝利なるのか？

下位に目を移すと、8位のFリーグ選抜（勝ち点33）から9位ヴォスクオーレ仙台（勝ち点32）、10位バルドラール浦安（勝ち点30）、11位のエスポラーダ北海道（勝ち点28）まで、4チームが勝ち点5差の中に詰まっていて、このセントラルで最終的に順位が変わる可能性がある。現在は奇しくも昨シーズンの最終順位と同じ並びだ。

今季で解散し、活動も終了となるFリーグ選抜は、昨シーズンのチームの成績（8位／勝ち点37）を上回りたいところだろう。Fリーグクラブライセンス審査により来季の2部行きが決定しているヴォスクオーレ仙台は、ひとまずは今回が1部でのラストゲーム。また小野寺隆彦監督の退任が発表されている北海道も、最後にいいところを見せたいと意気込んでいる。

そして、ここまで1勝もできていない、最下位ボアルース長野の初勝利はなるのか？　という視点も挙げておきたい。

長いシーズンを戦い、プレーオフ前に全チームをお披露目するような形のセントラル開催になりそうだが、それぞれに目標を持った各チームのラストの戦いに注目だ。

文：菊地 芳樹