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1973―74シーズンにトップリーグから降格したときも、マーティン・バッカンというすぐれた選手がいた。80年代はケヴィン・モランとポール・マグラーがからだを張り、90年代に入るとヘニング・ベルグ、ロニー・ヨンセン、ガリー・パリスター、ヤープ・スタム。いずれもスピードはなかったけれど、対人プレーだけはメチャクチャ強かった。スタムはざっくり切れた右まぶたを止血するとき、医療用のホチキスで傷口を止められても、いっさい表情を変えなかったっけ。ゾゾゾ……でも、頼もしかったな。
2000年代はリオ・ファーディナンドとネマニャ・ヴィディッチだ。当時の最強にして最高のコンビ。勝つためだったらファウルも厭わず、マンチェスター・ユナイテッドのために全力を尽くした。また、ユーティリティーのジョン・オシェイも、忘れてはいけない選手のひとりだ。メディアをにぎわせるタイプではなかったものの、与えられた役割はほぼ完璧にこなしていた。
ユナイテッドのセンターバックは、名うての強者が揃っていた。ところが……。
各方面から批判が集中している。
「ユナイテッドでプレーするレベルに達していない」
「プレミアリーグ仕様のからだができていない」
「ケガばかりしている」
「あまりにも利他的。責任感をどこかに置き忘れてきたのか」
もう、ケチョンケチョンである。ともに3失点を喫したブライトン戦、トッテナム戦は、CBの力量不足を痛感するシーンが頻発した。4節のバーンリー戦でクリーンシートを記録したとはいえ、ユナイテッドのCBが活躍したわけではない。バーンリーの攻撃が精彩を欠いていただけの話である。
それでも今シーズンは、少なくとも移籍市場が再開する来年1月までは、エリック・バイリー、クリス・スモーリング、フィル・ジョーンズ、ヴィクトル・リンデレフにがんばってもらうしかない。筆者が『Foot』で提案したネマニャ・マティッチのコンバート、マルコス・ロホを起用する3バックは緊急対応であり、あくまでも現有勢力の刺激剤だ。
強化担当のエドワード・ウッドワードは、いますぐにでも補強の準備を始めなくてはならない。ジョゼ・モウリーニョ監督のリクエストに耳を傾け、コーチに就任したマイケル・キャリックとも話し合い、ユナイテッドにふさわしいCBをリストアップすべきだ。グレイザー・ファミリーとの豪華なディナーが予定されているって!? キャンセルに決まっている。
センターバック急募! 対人プレーに強い方優遇。年齢・経験・国籍不問。
仕事しろ、ウッドワード!
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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