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サイクルロードレース コラム 2026年8月25日

今大会1回目の本格山岳ステージは悪天候で途中キャンセル ポガチャルを中心に選手たちが自発的にレースをストップさせる|ブエルタ・ア・エスパーニャ2026 レースレポート:第3ステージ

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ブエルタ・ア・エスパーニャ

雹が降り始めレースはキャンセルとなりました

ブエルタ・ア・エスパーニャ2026最初の本格山岳コースとして注目された第3ステージ。ピレネー山脈へに入り、今大会一つ目の山頂フィニッシュが設定されていたが、急激な天候の変化により15kmを残してレースはキャンセル。雨から次第に雹へと変わっていき、選手たちは安全確保を最優先させた。レースリーダーのタデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ・XRG)が前に出て集団全体に減速を促すなど、選手たちが自発的に休戦へ対応する様子が見られた。

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フィニッシュ手前15kmで走行不能に

レースストップを余儀なくされたのは、フィニッシュまで15kmを残したポイント。1級山岳コル・ド・モン・ルイの頂上付近まで上ったところで、次第に強まっていた雨は雹へと変わり、一部の選手たちがバイクを降りてコース脇へ避難し始めたという。

タイミングを同じくして、メイン集団の前方に位置していたポガチャルが周囲にスピードを落とすようアクションを起こし、そのまま数十人のライダーたちを率いてコース脇へと移動した。

そこにはホテルが立地していて、即席の避難所に。ホテル側も大急ぎで大会関係者を受け入れ、後方を走っていた選手たちも続々とやってきた。やがてチームカーも合流し、選手たちに防寒具を届けるスタッフらが出入りするようになった。

この間に主催者はレース中止を決定。プロトンが走りを止めた直後は再開を模索していたとされるが、レース成立よりも選手やスタッフ、関係者の安全を最優先させる決断を下した。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

避難して雹が止むのを待つ選手たち

メイン集団が走りを止める時点で後方へと下がっていたアレクシ・ルナール(コフィディス)は、「モン・ルイの頂上まで3kmを残したところで集団が止まっていると聞かされた。それで、僕たちもコース脇に停まっていた観客のバンに避難させてもらったんだ。雹はピンポン玉くらいの大きさで、痛みを感じながら走っていたからね。チームカーが追いついてきたので着替えてから集合場所に向かったのだけど、具体的な情報がなくて現場も混乱しているようだった。後に中止と決まったけど、最善の判断だったと思うよ」と振り返っている。

6人が逃げ、集団はUAEがコントロールも……

グリュイッソンからフォン・ロームまでの174kmに設定されていたレースは、リアルスタートして早々に飛び出した6人がしばし先導。メイン集団は最大2分40秒差まで容認し、その後少しずつその差を調整しながら進んだ。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

先頭集団が逃げている頃は青空だったが......

フィニッシュまで残り90kmとなったところで、進行方向から見て左側からの強い横風が吹き、UAEチームエミレーツ・XRGやチューダー プロサイクリングチーム、リドル・トレックが意識的にペースアップ。集団はいくつかに分断され、フェリックス・ガル(デカトロン・CMA CGM チーム)ら総合系ライダーの数人も後方に取り残された。

その状勢が10kmほど続いたが、進路が変わったことをきっかけにペースが落ち着き、後続ライダーが集団に再合流。一時は1分30秒を切った先頭グループとのタイム差も、再び2分ほどまで拡大した。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

強風でメイン集団は緊張に包まれた

残り35.6kmから本格的な登坂へ。モン・ルイの上りが始まると、先頭グループはアスビャアン・ヘレモース(チーム ジェイコ・アルウラー)のアタックを機に3人に絞られる。やがてヘレモースが遅れ、マッツ・ヴェンツェル(エキポ ケルンファルマ)とマグナス・コルト(ウノエックス・モビリティ)の2人逃げとなったが、それも長くは続かずヴェンツェルの独走態勢へ。

その後ろでは、UAEチームエミレーツ・XRGが集団のペースメイクを本格化。登坂スピードを上げて、人数を絞り込んでいく。前を行くヴェンツェルとのタイム差が30秒となったところで、ロレンツォ・フォルトゥナート(XDS・アスタナ チーム)が飛び出して、ヴェンツェルに合流。この直後にレースが中断、さらにそののちに中止の決定が下されることとなる。

スタートからしばらくは晴れていたが、モン・ルイに入ろうかというタイミングで雨が降り出すと徐々に強まっていき、ついには雹に。フィニッシュ地フォン・ロームの人々もここまで天候が悪化することは想定していなかったという。町長を務めるアラン・ルノー氏は「選手たちの安全を考えれば、これが最善の選択だ。レースがこの街まで到達できなかったことは残念だが、いつか必ずたどり着いてくれる日が来ると信じている」とコメントした。

天候が回復し第4ステージへ

これにより、第3ステージはノーリザルトに。第4ステージは仕切り直しの一戦となる。

今大会3カ国目となるアンドラが舞台となるステージは、104.8km。スタート直後から上り始め、その後3つの1級山岳を越え、最後は3級山岳をクリアしたところでフィニッシュめがけてのダウンヒル。個人総合争いにおいて重要な1日に数えられており、このステージの結果が先々の戦いにつながっていくことになりそうだ。

予報によれば天気は回復する見込みで、気温は20度と平年並み。リマッチにふさわしいコンディションとなりそうだ。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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