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サイクルロードレース コラム 2026年5月13日

ナルバエスが怪我からの復活をアピールするスプリント勝利 チッコーネは夢のマリア・ローザ|ジロ・デ・イタリア2026 レースレポート:第4ステージ

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ジロ・デ・イタリア

母国のグランツールでリーダージャージを獲得したチッコーネ

いよいよ本国イタリアをめぐる日々が始まったジロ・デ・イタリア。138kmで争われた第4ステージはスプリント決着になって、ジョナタン・ナルバエス(UAEチームエミレーツ・XRG)が勝利。ジロ通算3勝目を挙げるとともに、1月のレース中に負った怪我からの復活をアピールした。また、マリアローザはこの日3位でまとめたジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)のもとへ。長年の夢だったというピンクに袖を通している。

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2級山岳でスプリンターの大多数が脱落

開幕地ブルガリアでの3ステージを終えたジロ一行は、第4ステージが行われるイタリア南部へと約1000kmの大移動。ライダーたちは空路で渡ったが、チームカーやチームバス、機材車などは陸路での長時間移動。一部チームはスタッフごと5月13日からのツール・ド・ハンガリーへと移り、ジロ第4ステージ以降は別の面々で業務を行うなどしてこの状況を乗り切るというが、いずれにしても大がかりである。「できることならこれだけの大移動はせずに済ませたかった」とは、個人総合優勝候補筆頭のヨナス・ヴィンゲゴーハンセンチーム ヴィスマ・リースアバイク)。ジロにおいては、長い移動も戦いのうちである。

移動日をはさんで、第4ステージから大会第1週の加速度が増していく。カタンツァーロからコゼンツァまでの138kmは、星2つの平坦コースにカテゴライズされるが、中間地点通過後に上り始める2級山岳コッツォ・トゥンノが何とも厄介である。登坂距離は14.5km。フィニッシュ前も上り基調で、ブルガリアで主役を争ったスプリンターたちが再び競えるかはいささか疑問が浮かぶコースセッティング。

6人の逃げで始まったレースは、早い段階でタイム差が2分まで拡大。中盤までは変動がないまま進行していく。この間、今大会の活躍が期待されていたスプリンターのひとり、カーデン・グローブス(アルペシン・プレミアテック)がリタイア。第1ステージで巻き込まれたクラッシュの影響と、シーズン序盤から続いている膝の故障によってレース続行が不可能となった。

ジロ・デ・イタリア

モビスターが山岳で積極的にペースアップ

コースの半ばを過ぎると、コッツォ・トゥンノに向けて集団のペースが上がっていく。前を固めたのモビスター チーム。その後ろにはヴィスマも続き、いつの間にか隊列は長くなっている。そうしているうちに逃げていた選手たちを視界にとらえ、やがて集団は彼らを飲み込んだ。

上りでのペースアップで、多くの選手が後方へと追いやられてしまった。ジョナタン・ミラン(リドル・トレック)らスプリンターの多くが置いていかれ、体調不良が伝えられていたアルノー・ドゥリー(ロット・アンテルマルシェ)に至ってはレースを続けることさえ難しくなった。さらには、マリア・ローザでスタートしたギリェルモ・シルバ(XDS・アスタナ チーム)も脱落。

大きな驚きは、エガン・ベルナル(ネットカンパニー・イネオス)だ。頂上まで2kmのポイントで集団最後尾に位置し、その姿は明らかに苦しそうだ。耐え切れず失速すると、集団先頭から約30秒遅れて頂上を通過。ベン・ターナーらのアシストを受けて後に集団へ復帰を果たすのだが、この状態はとてもではないが良いとは言えない。

好位置から加速したナルバエスが上り基調のスプリントを勝つ

なおも主導権を握り続けたモビスターだが、その流れが変わったのは、フィニッシュ前11.5kmのポイントに設置されたレッドブルKM。ヴィクトル・カンペナールツ(チーム ヴィスマ・リースアバイク)が先頭に立ち、その後ろにヴィンゲゴーがつく。他の総合系ライダーもポジションを固め、スプリントフィニッシュさながらのボーナスタイム争いに。ここはヤン・クリステン(UAEチームエミレーツ・XRG)がモノにし、ジュリオ・ペリツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、チッコーネと続く。ヴィンゲゴーはこの日のボーナスタイム獲得はならなかった。

残すはフィニッシュ勝負。モビスターとヴィスマがリードを続けてきたが、フィニッシュを目前にスプリントに向けた態勢を整えようと数チームが入り乱れる状勢へ。残り1.5kmでクリステンがアタックを試みたが、フィニッシュ手前300mで捕まる。勝負はスプリントにゆだねられた。

ジロ・デ・イタリア

ナルバエスが少人数スプリントを制す!

クリステンと入れ替わるようにして加速したのはオールイス・アウラール(モビスター チーム)。これにチッコーネが続くが、両者の番手につけていたナルバエスが残り200mで踏み込むと、みずからのスプリントラインを開拓してそのままフィニッシュへ。今シーズン初勝利、ジロでは2020年・2024年に続く3勝目を挙げた。

苦しい過去を帳消しにするチッコーネのマリア・ローザ

今シーズンは初戦のツアー・ダウンアンダーで個人総合優勝候補として臨みながら、落車負傷でリタイア。怪我の度合いが大きかったこともありエクアドルに戻って治療していたが、回復してからもジロを見据えて自国に残ってトレーニングを続けてきた。この勝利で完全復調を印象付けた。

「ヤン(クリステン)が前に出てくれたおかげで、僕はスプリントを待つだけだった。最後のコーナーをうまく抜けることができたし、あとは脚に力を込めるだけで良かったんだ。勝てて本当にうれしいよ。困難な時期を支えてくれた妻や家族、チームに感謝を伝えたいね」(ナルバエス)

UAEチームエミレーツ・XRGはブルガリアで3選手をリタイアで失い、残った5人での戦いを強いられている。それでも、クリステンはマリア・ローザ着用に意欲を見せ、ナルバエスも十二分に戦えるメドが立った。UAEがアウトサイダーとして、プロトンをかき乱す存在となっていきそうだ。

そして、マリア・ローザはこの日3位で終えたチッコーネのもとへと舞い込んだ。レッドブルKMでの3位通過も合わせて、6秒のボーナスタイムをゲット。第3ステージまでに獲っていた4秒と合わせて、個人総合トップに立った。

「これまでジロでは何度も苦しい経験をしてきて、昨年も個人総合上位入りが見えていたのに落車でリタイアしてしまった。でも、それと同じくらい素晴らしい瞬間も味わっていたし、このマリア・ローザは悲しみや苦しみをすべて帳消しにしてくれるものだよ。とてもハッピーだ!」(チッコーネ)

ジロ・デ・イタリア

カラブリアの美しい海岸線を走るプロトン

その能力の高さからグランツールでは総合エースを担うことが多かったが、落車や体調不良でどうにもうまくいかなかった。今大会はデレク・ジー=ウェストにその座を譲り、自身は彼の山岳アシストやミランのための牽引役を買って出ていた。プレッシャーから解放されるときほど、思いがけないプライズが舞い込んだりするものである。さて、いつまでピンクを身にまとって走ろうか。

「チームの決定にしたがうよ。チームの意識としては80%スプリント重視で、総合はデレク・ジー=ウェストに任せている。僕自身はコンディションが良いし、戦う意欲は揺らいでいない。できることなら着続けたいけどね」(チッコーネ)

実力的に考えれば、ブロックハウスを上る第7ステージまでは着用できるだろう。その翌日、第8ステージは地元であるキエーティがスタート地になっているが、そこまでマリア・ローザを着られれば大・大・大成功だろう。

「そうだね、マリア・ローザでブロックハウスを上りきれたら最高なんだけどね。ただ、ヴィンゲゴーのようなクライマー相手にジャージを守るには、あの山は難しすぎるような気がする。どうなるか見てみようか」(チッコーネ)

第5ステージは、203kmの丘陵コース。後半にかけて急坂をこなしながら、ポテンツァの街を目指していく。南イタリアの起伏に富んだ道で、集中力が試される。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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