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ファンタジスタが集結! 春のクラシックシーズンを締める大一番|Cycle*2026 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ:プレビュー
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介3連覇に挑むタデイ・ポガチャル
丘陵地帯が舞台のアルデンヌクラシック最終戦にして、2026年シーズンの春のクラシックを締める大きな一戦、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを迎える。ワンデーレース指折りの250km超の長距離とタフな上りの連続で、サバイバルと化すのが慣例だ。自転車王国ベルギーでも「最後のひとりになるまでの消耗戦」と称されるほどで、その厳しさは独特のものがある。
そんな大一番に、サイクルロードレースシーンの中心に立つ選手たちが集結する。趣きは、“真のクラシックハンター決定戦”だ。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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Cycle*2026 サイクルロードレース応援部 ジロ・デ・イタリア
配信日時 : 2026年4月26日(日)午後6:30 ~
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配信日時 : 2026年4月26日(日)午後7:10 ~
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Cycle*2026 リエージュ~バストーニュ~リエージュ ファム
配信日時 : 2026年4月26日(日)午後11:40 ~
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クラシック最古参 春の終わりはリエージュで
今年で112回目を迎えるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュは、その伝統と格式から「ラ・ドワイエンヌ」(最古参)との異名を持つ。
ベルギー南東部の丘陵地帯をフルに組み込んだコースセッティングは大小の峠が点在し、アルデンヌクラシックはもとより、シーズン全体を見通してもハードなルーティングになっている。かつてはリエージュ郊外の街が基点となっていたが、数年前からリエージュの中心部を発着点に替え、晴れて大会名通りの行程になった。
この変更によって、より一層仕掛けどころの判断が難しくなったといわれている。前回から7.5km延伸し259.5kmに設定される2026年大会は、リエージュを出発後南下。バストーニュでの折り返しを前に、1つ目の登坂区間コート・ド・サン=ロッシュ(83.7km地点、登坂距離1km、平均勾配11.2%)を越える。
コースプロフィール
リエージュへ戻る後半戦で難易度が上がっていく。132.4km地点で上るコル・ド・オシール(3.9km、6.8%)はまだまだ前座。さらに進んで、171.2km地点のコート・ド・ワンヌ(3.6km、5.1%)から登坂区間が連続する。
177.7km地点コート・ド・ストクー(1.1km、12.5%)、181.9km地点コート・ド・ラ・オート=ルヴェ(2.2km、7.5%)、今大会の登坂区間では最長距離の4.4kmを上るコル・ドゥ・ロジエ(196.2km地点、5.9%)をクリアしていく。この間は細かく向きを変えながらも、着実にリエージュへが、そして勝負どころが近づいていることを実感する。
モニュメント4戦目、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
レース距離が200kmを越えると、集団の絞り込みは本格化していく。208.7km地点コル・ド・マキザール(2.4km、5.7%)、212.8km地点コート・ド・デニエ(1.6km、8.1%)を越えたら、重要局面はすぐそこ。
最大の難所と言われるのが、225.5km地点コート・ド・ラ・ルドゥート(1.6km、9.4%)。直近2大会はタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)がこの区間で勝負を決めている。236.2km地点コート・ド・フォルジュ(1.3km、7.8%)もレースを動かすだけの威力は十分。
246.1km地点のコート・ド・ラ・ロッシュ・オウ・フォーコン(1.3km、11%)を過ぎると、フィニッシュまでは13.4km。その先は下り基調で、リエージュまで大急ぎで向かう選手たちの姿を見ることだろう。
リエージュがフィニッシュ地となってからは、昨年と一昨年のポガチャルのように独走で勝者が決まったケースもあれば、小集団スプリントで決したことも。あらゆるレース展開が想定できるコースであり、最終登坂のコート・ド・ラ・ロッシュ・オウ・フォーコンを越えてももつれるようだと、勝負の行方は一気に混沌とする。
どこで決定打が生まれるのか、リエージュでしか見られないドラマが待っている。
天候に恵まれると素晴らしい景色がひろがる
ポガチャル、レムコ、セクサスの3強か 結果いかんでは構図に激変も!?
舞台は整っている。最高の走りで歴史に名を刻むのは誰か。
3連覇の偉業に挑もうとするのが、ポガチャルだ。勝っても衝撃、負けても衝撃の絶対王者は、パリ〜ルーベでの敗戦(2位)からどのように仕上げ直しているだろうか。今年は早い段階でアルデンヌはリエージュのみと公言しており、計画通りに調整を進めていると見て良いだろう。今年もまたコート・ド・ラ・ルドゥートでの早掛けといくのか、最終盤での勝負に切り替えるのか。いや、もっともっと早いタイミングから……。考えが読めない不気味なときこそ、ポガチャルの走りには驚きが満ちる。リエージュでは果たして。
コート・ド・サン=ロッシュを上るプロトン
ここまでのアルデンヌ2戦で、それぞれ異なる勝者が出た。その走りによって、ポガチャルへの挑戦権を得ている。
アムステル・ゴールドレースを勝ったレムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は、直後のラ・フレーシュ・ワロンヌを回避し、リエージュに集中する形をとった。リエージュでは2度の優勝経験があり、戦い方を知っているのは強みだ。昨年はコンディションを合わせられず苦杯に終わったが、今年はここまで順調。限りなく本命に近い対抗馬として、ポガチャルと真っ向勝負する構えだ。
この2人に並ぶところまで上がってきたのが、ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム)。4月22日のラ・フレーシュ・ワロンヌでは圧巻のミュール・ド・ユイ征服劇。19歳にしてトップ・オブ・トップまで駆け上がってみせたが、ポガチャルとレムコとの直接対決でどれだけのパフォーマンスを披露できるだろうか。3月のストラーデ・ビアンケ(2位)でポガチャルにチャレンジできたことは、大きな自信になっているという。もし勝つことがあれば……そうなると1980年のベルナール・イノー以来となるフランス人覇者となる。
今季、ポガチャルを苦しめたひとりがトーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)。3月のミラノ〜サンレモでは最後の最後まで王者を追い詰めたが、わずかなところで2位に甘んじた。その後のレースでクラッシュに見舞われコンディションを落としたが、ここへきて復調。イタリアで勝利を挙げ、意気揚々とリエージュに乗り込む。今大会での最高成績は2023年の2位。石畳系のレースを回避してまでリエージュに賭ける想いを走りにぶつけたい。
複数リーダーで畳みかけたいのは、リドル・トレック。前回2位のジュリオ・チッコーネに加え、アルデンヌ期間で好調をキープするマティアス・スケルモースも上位進出を視野に入れる。スケルモースがアムステルで2位になり、ラ・フレーシュ・ワロンヌでもチームとして主導権争いに加わるシーンが多かった。
ラ・フレーシュ・ワロンヌで表彰台を押さえたマウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー)とベン・トゥレット(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は、装いの替わるレースではいかに戦うか。フレンチライダーの好調も伝えられており、レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス)やケヴィン・ヴォークラン(イネオス・グレナディアーズ)もリエージュ向きの脚を活かしたい。
彼らの戦いは歴史に残るばかりか、その先のシーンにおける構図にも影響を与えることだろう。ビッグ・デイが刻一刻と迫っている。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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