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【モニュメント】これを読めば誰もが“北の地獄”行き!? 視聴者人気NO.1ワンデーレース「パリ〜ルーべ」の魅力
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介北の地獄、もしくは地獄の日曜日と呼ばれるパリ〜ルーベ
ワンデーレース最高峰の1つ「パリ〜ルーベ」。数あるサイクルロードレースの中でもとりわけ過酷で、それでいてドラマティックな展開が長きにわたって世界中のファンを魅了し続けています。その魅力を知るための入口として、5つのテーマに沿ってパリ〜ルーベをガイドしたいと思います。これを読めば、みなさん“北の地獄”の住人です!
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■「パリ〜ルーベ」とは
その名の通り、フランスの首都・パリから同国北部のルーベまでを走るレースで、1896年から行われている伝統の一戦でもあります。1968年以降は、スタート地点がパリからコンピエーニュ(パリの北東約60kmに位置する街)となり、約260kmを走ってルーベへと到達します。
このレースの大きな特徴は、総数約30箇所・総延長約55kmに及ぶパヴェ(石畳)区間を走ること。路面に敷き詰められる石は握りこぶしよりも大きく、ところどころ尖った石もあるなど、不安定な路面が選手たちを苦しめます。パヴェ通過の際には土ぼこりが舞い、雨が降ろうものなら泥沼状態と化す石畳の上を走ることになる選手たち。落車やパンクといったトラブルはどこかしこで幾度となく発生し、その様は“北の地獄”と形容されるほどなのです。
ゴツゴツとした瓦礫のような石畳も登場する
■ツール・ド・フランスとの大きな違い 「クラシックレース」とは
ツール・ド・フランスのような3週間をかけて走破するレースとは異なり、パリ〜ルーベは1日でレースを終える「ワンデーレース」にカテゴライズされます。ワンデーレースの特徴は一発勝負で決まる点にあり、ひと目見て誰が勝者かを認識することができます。
ワンデーレースの中でも、ステータスの高いものが「クラシックレース」と呼ばれています。クラシックレースとしての明確な定義はなく、大会ごとに歴史は異なるものの、レースとしてのバリューや位置づけなどを考慮していく中で、クラシックとしての趣きが色濃くなっていきました。
パリ〜ルーベももちろんクラシックレースにカウントされていて、その中でも特別な存在である「モニュメント」のひとつに数えられています。
2023年、2024年はマチュー・ファンデルプールが連覇している
■「モニュメント」とは
クラシックレースの中でも、とりわけ古い歴史と格式のあるレースを「モニュメント」と呼びます。前記したように、“歴史”が重要な要素になっていて、モニュメントに数えられるレースはいずれも1900年前後に初開催されている点で共通しています。
モニュメントに数えられるのは、パリ〜ルーベのほか、ミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディアの5つ。これらは、最高峰レース群「UCIワールドツアー」における上位選手への付与ポイントが高くなっており、数字のうえでもその重要度を測ることができます。
ちなみに、5つのモニュメントを全制覇したのはリック・ファンローイ、エディ・メルクス、ロジェ・デフラミンクの3人だけ。いずれもパリ〜ルーベを複数回制していて、パヴェに無類の強さを誇りました。
2019年パリ〜ルーベ
■いま一度、パリ〜ルーベの位置づけを整理……
パリ〜ルーベがいかにすごいかを述べたところで、ここまでの話を整理したいと思います。
・パリ〜ルーベは1日で勝負が決まる「ワンデーレース」にカテゴライズ
・「ワンデーレース」の中でも、ステータスの高いものを「クラシックレース」と呼ぶ
・「クラシックレース」の中でも、とりわけ古い歴史と格式のあるレースを「モニュメント」と呼ぶ
・5つある「モニュメント」のひとつに、パリ〜ルーベが数えられている
いかがでしょう?
パリ〜ルーベって本当に、本当にすごいレースなのです!
■ココを押さえておきたい! パリ〜ルーベの見どころ
レースの過酷さの一方で、“北の地獄”に挑み走り抜いたすべての者を勝者として称えられるのも、パリ〜ルーベの良いところ。その美しさを本場ヨーロッパでは「クラシックの女王」とも形容します。
もう少し詳しくこのレースの見どころを挙げるとするなら、例年フィニッシュまで100kmを切った直後に通過する「トゥルエ・ダランベール」、同じく50kmを切ったところで迎える「モンス・アン・ペヴェル」、そしてフィニッシュ前約20kmでやってくる「カルフール・ド・ラルブル」、この3つのパヴェ区間を押さえておくと良いでしょう。
最初に現れる五つ星セクター、トゥルエ・ダランベール
トゥルエ・ダランベールは鬱蒼とした森の中を進む2.3kmのパヴェで、トップライダーなら時速60km超の猛スピードで突っ込んでいきます。それゆえトラブルも多く、これまでに幾人もの優勝候補がこの区間を攻略できずレースを去っていきました。
モンス・アン・ペヴェルは石畳の路面が3kmに及び、この間に2カ所の直角コーナーが待ち受けます。集団で通過する際にはポジショニングも重要で、コーナーでぬかるみにはまって落車する選手が続出することも。
カルフール・ド・ラルブルは残り距離から見ても大きな勝負どころとなり、ここで決定打を放ったライダーがそのままフィニッシュへ……ということも数多く。
ただ、フィニッシュするまで何ひとつ決まらないのもパリ〜ルーベ。フィナーレは、ルーベのヴェロドローム(自転車競技場)を1周半走りますが、パヴェで勝負が決まらなければ、このバンクの上まで戦いがもつれることとなります。
さあ、どうでしょう! パリ〜ルーベの魅力を感じていただけましたでしょうか? 観る者に感動と驚きを与える、壮大なる一戦。ぜひご自身の目と心で確かめてみてください!
文:福光俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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