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サイクル ロードレース コラム 2025年2月13日

ピーダスン、モホリッチらの仕上がりは!? シーズン序盤の仕上がりを試す3日間、1秒を争うリーダージャージ争いも見もの【Cycle*2025 ツール・ド・ラ・プロヴァンス:プレビュー】

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ツール・ド・ラ・プロヴァンス

南仏のレースが始まる!

2025年のサイクルロードレースシーンは南半球や中東での“開幕シリーズ”を経て、2月からはヨーロッパでのレースも軌道に乗ってきた。少しずつビッグネームもシーズンインを果たし、ターゲットレースに向かう準備具合にも注目が集まっている。

2月14日からの3日間、フランス南部では9回目となる「ツール・ド・ラ・プロヴァンス」が開催される。南仏の中心都市・マルセイユを基点とするこの大会も、トップライダーやチームにとっては仕上がり度合いを確かめる大切な機会になる。

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初開催は2016年。1983年に終了したツール・デュ・シュド=エストと、同様に1998年に終わったツール・デュ・ヴォクリューズ、2つのレースの伝統を引き継ぐ形で誕生。大会名の「ツール・ド・ラ・プロヴァンス」は、創設から3年間タイトルスポンサーを務めた南仏の新聞社ラ・プロヴァンスの名が採用され続けている。この大会を含む周辺地域での数レースを担うセルジュ・パスカル氏が運営指揮を担っており、地域のサイクリングクラブが実務にあたっている。

現在はパリに本拠を置く金融会社「CIC」がメインスポンサーを務め、大会の正式名称は「CICツール・ド・ラ・プロヴァンス」。レースコースにもなる6つの自治体が共同でスポンサーを務めるほか、大会の初期を支えたラ・プロヴァンス社もパートナーとして名を連ねる。また、ツール・ド・フランスの開催委員会も運営に参画し、大会の盛り上がりに寄与している。

歴史こそ浅いけど、過去の結果を見てみると名の通った選手たちが上位進出をしていて、このイベントの重要度を表している。現在はフランス代表チームの監督を務めるトマ・ヴォクレールが初代王者に輝いていて、ナイロ・キンタナ(現モビスター チーム)が2020年と2022年に個人総合優勝。オールラウンダーの活躍が光っていたが、昨年はマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)がステージ2勝を挙げて総合でも圧勝。スピードマンも覇権争いに足を踏み入れている。

この大会の位置づけとして、「3月に控えるパリ~ニースの準備レース」といった見方があるようだけど、実際のパリ~ニースほどハードな山岳があるわけではなく、丘陵地や平坦で1秒を争う展開になると予想される。フィニッシュを制する勝負強さはもちろんのこと、各ステージに2カ所設置される中間スプリントポイントでのボーナスタイムを効率よく獲得できるかも勝負の分かれ目となる。

ツール・ド・ラ・プロヴァンス

第1ステージは内陸の丘陵地帯を進む

全3ステージ・総距離542kmの戦い。第1ステージ(175km)はサッカー・リーグアン、オリンピック・マルセイユのホームスタジアムである「スタッド・ヴェロドーム(かつては自転車競技場だったが、現在はサッカー専用スタジアム)」を出発。内陸の丘陵地帯で3つの2級山岳をこなすほか、山岳にはカテゴライズされない大小のアップダウンを越えつつ、マルセイユ・プロヴァンス空港に近いサン=ヴィクトレの街へ。

ツール・ド・ラ・プロヴァンス

第2ステージも丘陵地帯

第2ステージ(169km)は、中世プロヴァンスの都であったフォルカルキエをスタート。針路を東西南北幾度と変えながら前半で2級山岳を1回、後半に3級・1級の上りを連続して越える。この1級の頂上からフィニッシュまでが約27km。上りのタフさだけでなく、その後の下りでは道幅が狭くコーナーが多いとあって、テクニカルなレイアウトへの対応力も求められる。レース後半にかけてメイン集団の人数が絞り込まれている可能性は高い。マノスクの街に敷かれるフィニッシュラインでは、数人または数十人でのステージ優勝争いとなるか。

ツール・ド・ラ・プロヴァンス

第3ステージはほぼフラットだが湿地帯を通る

最終・第3ステージ(197km)は、前半の3級山岳をのぞけばほぼフラット。セオリー通りならスプリンターが主役になるが、リーダー争いが僅差であれば2つの中間スプリントとフィニッシュでのボーナスタイムが明暗を分けることも。フィニッシュ地・アルルはゴッホが愛した街としても知られる。

短期決戦ならではの変化に富んだレースの流れに期待が膨らむ。個人総合を意識する選手・チームの多くが第1ステージを獲って、その後の2ステージを優位に進めたいと考えていることだろう。

ツール・ド・ラ・プロヴァンス

まだ冬の気配が色濃く残るツール・ド・ラ・プロヴァンス

開幕前日の2月13日時点で出場が見込まれる選手の中では、大会2連覇がかかるピーダスンの存在が際立つ。今月上旬のエトワール・ド・ベセージュでの胃腸トラブルが気になるところだが、回復していればリーダー争いの一番手となるだろう。ピーダスンに限らずリドル・トレックの充実度は高く、トムス・スクインシュやセーアン・クラーウアナスンにも勝ち切る力がある。

チーム力で見れば、バーレーン・ヴィクトリアスも複数のエースクラスを擁する本気の布陣。マテイ・モホリッチが軸になると考えられるが、パンチ力とスプリント力を兼ね備えるフレッド・ライトも控え、どこからでも攻めていける強みを持つ。

EFエデュケーション・イージーポストは、すでに今季1勝を挙げているマライン・ファンデンベルフに加え、上りに強いジェフェルソン・セペダがロースター入り。イスラエル・プレミアテックは、パスカル・アッカーマンが第3ステージでのスプリントにフォーカスする。

地元フランス勢も気合十分。グルパマ・エフデジは若手有望株のスピードマン、ポール・ペンウェットが好調。デカトロン・AG2Rラモンディアール チームはサム・ベネットのスプリントに重きを置きつつ、レース巧者のドリアン・ゴドンが総合成績にも目を向ける。UCIワールドチーム生き残りに正念場のシーズンを迎えているアルケア・B&Bホテルズは、昨年個人総合3位のラウル・ガルシアが表彰台の頂点を目指す。トタルエネルジーも、マチュー・ビュルゴドーを中心に存在感を示したい。

UCIヨーロッパツアー2.1クラスに設定される今大会には、同ワールドチームが7、同プロチームが5、同コンチネンタルチームが4、合計16チームが出場。日本では馴染みの少ないフランス国籍のコンチネンタルチームもエントリーするとあり、多彩なチーム群に触れる良い機会にも。短期的に、さらには中長期的にも、推しメンならぬ“推しライ”(推しのライダー)を見つけるにはもってこいのレースになりそうだ!

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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