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【Cycle*2023 ラ・フレーシュ・ワロンヌ:レビュー】タデイ・ポガチャルが“アルデンヌ・ハットトリック”に王手! ユイの壁初征服も勝利に飽き足らず「今日勝ってもまだまだ終わりではない」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介ラ・フレーシュ・ワロンヌ表彰台 優勝タデイ・ポガチャル、2位マティアス・スケルモース、3位ミケル・ランダ
3度上るミュール・ド・ユイ(ユイの壁)。その3回目は、頂上にフィニッシュラインが敷かれる、勝負のクライミングだ。残り200m、このタイミングを待っていたとばかりにスパートしたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)は、レース名が意味する「ワロンを貫く矢」のごとくラ・フレーシュ・ワロンヌのタイトルを射止めてみせた。
UAEチームエミレーツはレース全体をコントロール
アルデンヌクラシックの第2ステージ、ラ・フレーシュ・ワロンヌはセオリー通り最後のミュール・ド・ユイで決着。最大勾配26%区間からの激坂アタックの末、ポガチャルがユイの壁初征服。“壁”との表現がぴったりのタフな上りでもライバルを圧倒した。
「チームとして完璧なレースができた。早くみんなに感謝を伝えに行きたいよ。彼らの働きが僕にとってのモチベーションだったから、どうしても勝ちたかったんだ」(タデイ・ポガチャル)
その言葉通り、ポガチャルを勝たせるためにUAEチームエミレーツのアシスト陣が序盤から重責を担った。8人の逃げを容認したところで、集団コントロールを引き受ける。スタートから60km過ぎに4分近くまでリードを与えたが、それ以降は少しずつタイム差を縮小。約90kmのワンウェイルートを終え、ミュール・ド・ユイを基点とする周回コースに入る頃には2分前後の差でレース全体をコントロールした。
ときおり、強風を利用しようと数チームが集団前方に上がってきたが、それも長くは続かない。やはりUAEチームエミレーツが統率を任された。
「他チームからの協力らしい協力といえば、イネオス・グレナディアーズが少し加わってくれたくらい。あとは僕たちがレースの流れを調整するしかなかった。消耗は避けられないけど、僕たちの思い通りに展開できると割り切って走っていたよ。みんな僕をマークしていたから、誰かに煩わされることなくレースを進めようと思っていたんだ」(ポガチャル)
ポガチャルはレース中のほとんどの時間をアシストに守られながら走ることができた。残り21kmで発生した集団前方でのクラッシュを間一髪でかわしたが、ピンチといえばその程度。レース前のプランに基づき、粛々とシナリオは完成へと向かっていった。
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