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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第17ステージ】出走4人のUAEチームエミレーツが猛攻 タデイ・ポガチャルが今大会3勝目「ステージ優勝しなければいけないと分かっていた」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介やはり、リアルスタートから火が点いたように次々とアタックがかかった。そのどれもが決まらず、ただただプロトンはハイスピードで進んでいく。最初の1時間は50.7km。ここから先は急峻なピレネーの山々だというのに、こんなに飛ばして大丈夫なのか。
逃げが決まったのは、山岳地帯に入ってから。1つ目の1級山岳コル・ド・アスパンで15人ほどの先頭グループが形成された。その中には、前日に遅れを喫し個人総合9位に順位を落としてしまったロマン・バルデ(チーム ディーエスエム)の姿もあった。さらに、頂上まで4kmのポイントでティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)と、個人総合トップ10返り咲きを狙うアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)が先行を開始。次の上りである2級山岳ウルケット・ダンシザンまで2人逃げは続いた。
タイミングを同じくして、メイン集団ではUAEチームエミレーツのペーシングが本格化していた。マルク・ヒルシから始まり、ウルケット・ダンシザンではミッケル・ビョーグが集団を牽引。前を行く選手たちとのタイム差を1分台にとどめて、いつでもポガチャルが勝負できる態勢を整える。
そこからの下りを終えて、3つ目の上り1級山岳コル・ド・ヴァル・ルーロン=アゼで集団はさらに勢いを増した。先頭ではピノとルツェンコが追走メンバーに捕まり、代わってアンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)がバルデの前待ちを兼ねてひとり飛び出していたが、あっという間にメイン集団が彼らをパスした。この頃にはUAEチームエミレーツはブランドン・マクナルティを前へ送り出し、それについていけたのはポガチャル、ヴィンゲゴー、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)だけ。やがてトーマスも遅れ始め、3人はひたすら前に突き進んでいった。
「正直調子があまり良くなかったんだ。あの3人についていったら、どこかで限界が来てしまうと悟った。フィニッシュラインを目標にするなら、後ろのグループで走るべきだと判断したんだ。消耗を感じた瞬間? ミッケル・ビョーグが牽引していた2つ目の上りかな」(ゲラント・トーマス)
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