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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第13ステージ】凄まじい追走撃の果てにアルノ・デマールが今大会3勝目「僕は力切れ寸前の状態でスプリントを打った。そして勝利をむしり取ったんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかレース後に倒れ込むデマール
フィニッシュラインで荒々しく拳を振り上げた。チーム全員で挑んだ凄まじい追走撃の果てに、ラスト500mでぎりぎり逃げの最後の1人を飲み込むと、アルノ・デマールが今大会3勝目へと突進した。総合4位としてステージを走り出したロマン・バルデは区間半ばに自転車を降り、フアン・ロペスはばら色の日々を問題なく更新した。
「信じられない。前方はすごい粘りを見せたし、僕はほぼ死にかけだった。でも、みんなが、まるで怪物じみた仕事をしてくれて、僕は力切れ寸前の状態でスプリントを打った。そして勝利をむしり取ったんだ」(デマール)
連日の暑さと、2日連続の高速レースが、身体に堪えていたのかもしれない。150kmの短距離走だからこそ、たしかに逃げ切りを大いに警戒すべきだった。連日スプリントに参戦したビニヤム・ギルマイが10日目を最後にジロを離れ、ついに1度も両手を挙げられなかったカレブ・ユアンが12日目に未出走を選び、制御に加わるチームも大会1週目より2つ少なかった。
それでもスタート直後に、デマール擁するグルパマ・エフデジは、6人以上の逃げの形成をきっちり阻んだ。8kmほど走った先で5選手が逃げ出した後には、すぐさまエフデジと並んで、クイックステップ・アルファヴィニル、イスラエル・プレミアテック、UAEチームエミレーツも1人ずつ先頭牽引役を配置した。しばらくは3分半程度で差を保ち、上手くコントロールしていたはずだった。
第1中間ポイントでは、今大会5度目の逃げ乗ったフィリッポ・タリアーニが、争わずして先頭通過を果たしたし、後方メイン集団ではデマールがやはり争わずして集団内トップを確保した。それぞれ中間ポイント賞とポイント賞の首位の座をさらに堅固なものとし、すべては予定調和のうちに進んでいるように思えた。
ところがタリアーニ以外の逃げの4人、つまりニコラ・プロドム、ジュリアス・ファンデンベルフ、ミルコ・マエストリ、パスカル・エーンコーンが、中間ポイント直後から登り始めたこの日唯一の山岳で、突如として速いリズムを刻んだ!
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