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【Cycle*2022 ミラノ〜トリノ:プレビュー】現存する最古の自転車レースが再び春に完全復活!伝統と新たなアイデンティティを身にまとう全長199kmのレースに名だたるスプリンターが集結
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかプリモシュ・ログリッチが前回大会を制した
秋の急坂フィニッシュから、春の平地クラシックへ。まるで正反対のレースへと生まれ変わったミラノ〜トリノが、スプリンターたちを誘い出す。わずか3日後に控えるミラノ〜サンレモへ向けて、最後の足慣らしの機会となる。
「現存する最古のクラシック」であるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュよりも、さらに16年早い1876年に産声を上げた「現存する最古の自転車レース」は、決して気まぐれで日程を変えたのではない。あくまで輝かしい「伝統」に立ち返ったのだ。
そもそも、開催時期を変えることすら、ミラノ〜トリノにとっては伝統のひとつ。第1回大会は5月に執り行われた。17年後に行われた第2回大会は6月で、1911年からしばらくは春と秋とを行ったり来たり。ただし1919年以降は春に固定され、1937年頃から「サンレモの数日前〜10日前」に定着した。トリノで表彰台に上った選手が、サンレモでも表彰台に上がることもしばしば。1957年は両大会ともに1位がミゲル・ポブレトで、2位がアルフレド・デブルイネだった。
1975年からまたしても秋と春で揺れ始める。そして1987年、当時の開催委員会は、秋で腰を落ち着けることに決めた。理由はずばり、3月序盤〜中旬は天気が悪すぎるから。こうして落ち葉の舞い散る季節の恒例行事となり、直後に行われるグラン・ピエモンテ、さらにはイル・ロンバルディアと合わせて「トリティコ・ディ・アウトゥンノ(Trittico di Autunno、秋の3連作)」と呼ばれることに。
UCIプロツール(現ワールドツアー)が導入され、レースカレンダーが世界的に再編成された2005年に、再び春への復活を試みた。しかし2007年にモンテ・パスキ・エロイカ(現ストラーデ・ビアンケ)が誕生したことで、2008年にまたまた秋へと引っ越しを企て……そのままなし崩しに消滅。ようやく2012年に、秋で復活を果たした。
復活と同時に、それまでコース最終盤に組み込まれていた平均勾配9%超のスペルガ坂が、フィニッシュ地として選ばれた。当然、激坂巧者たちがこぞって脚試しに訪れるようになり、コンタドール、ウリッシ、カルーゾ、ロペス、ウラン、ピノー、ウッズ、ログリッチetcとため息の出るような名前が勝者リストに連なった。
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