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アルベルト・コンタドールが8月上旬まで帰ってこないことになって……、2012年グランツールの総合争いにも大きな異変をもたらしそうだ。昨年制した(優勝は剥奪されたが)ジロ・デ・イタリアはそもそもコンタドールは出場を予定していなかったが、ツール・ド・フランスでは突如として「倒すべき相手No.1」が消えてしまった。混沌とした激戦になることは必至だ。また「ジロにしようかな、ツールにしようかな」、なんて悩んでいるリーダーたちが、ツールへと気持ちを傾かせている可能性もある。そしてブエルタ・ア・エスパーニャはおそらく、コンタドール復帰戦となる。
今季マリア・ローザ獲りを早くから断言しているのは、2006年と2010年にジロをすでに制しているI・バッソ。昨年総合4位(つまりコンタドール失格で繰り上がり総合表彰台)の山岳強者J・ガドレと、5位(同じく4位)の「激坂スペシャリスト」J・ロドリゲス、新人賞R・クロイツィゲルもイタリア1周の総合争いに集中する。一方でコンタドールの代わりに2011年ジロ王者に認定される予定のM・スカルポーニは、ジロかツールか、未だ決めかねている様子。またレディオシャックの監督ブルイネールが、フランク・シュレクをイタリアに送り込むのでは、という声も出ている。
ツール・ド・フランスは、1年前に歓喜の初優勝をオーストラリアに持ち帰ったC・エヴァンスと、五輪トラックを捨ててツールに集中するB・ウィギンズの前評判が断然高い。理由は個人タイムトライアルの総距離が長いこと。同じ理由で、現時点で「2011年ツール総合覇者」アンディ・シュレクの優勝は少々疑問視されている。また、昨年アシスト役ながらリーダー、ウィギンズを追い越してブエルタで総合2位に入ったC・フルームと、アンディの兄フランクもマイヨ・ジョーヌ争いに絡んでくるだろう。
また2010年ツール繰り上がり2位のD・メンショフは2年ぶりにツール復帰、繰り上がり総合3位S・サンチェスは今年もオレンジ軍団を率いる。昨季ジロ獲りに失敗した2010年ブエルタ覇者V・ニバリは、今年はバッソと立場を入れ替えてツールのリーダーに。ラボバンクは2010年ツール繰り上がり5位R・ヘーシンク、昨ブエルタ総合4位B・モレマ、2011年ジロ繰り上がり8位S・クルイシュウィックの3人をツール集中投入する予定だ。出場停止復帰明けのダウンアンダーで変わりない切れ味を見せたバルベルデは、昨ブエルタのサプライズ王者J・コボと共にツールに帰ってくる。
そしてブエルタは恐ろしく山が多い難コースを用意してきた。一昨年は落車リタイアで、昨年は大会前半の絶不調でマイヨ・ロホ争いから脱落したI・アントンが、3度目の正直を願ってスタート地に立つ。コボもツール直後にスペインへと乗り込む。あとはコンタドールの出方を待とう。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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