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サイクル ロードレース コラム 2021年5月21日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第12ステージ】初のグランツール区間勝利で友の胸で男泣き!ヴェンドラーメ「この勝利は、彼のものでもある」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ちなみに悔しくてフィニッシュ後に「奴はテレビを見てレースの仕方を憶えたほうがいい」と吐き捨てたブランビッラは、「再び逃げにトライする」と宣言。3大会前の総合8位ベネットは、本人曰く「慣れない逃げ」で総合タイム差を11分21秒にまで縮めたが、翌第13ステージで再び失う予定らしい。来る難関山岳ステージで、再び逃げるために。

ヴィンチェンツォ・ニバリ

ヴィンチェンツォ・ニバリ

さて、はるか後方で、イネオスの指揮のもと安全走行を続けていたメインプロトンもまた、最後の山岳で動きを見せた。ヴェンドラーメが先行した例の急勾配ゾーンで、ジュリオ・チッコーネが前触れもなくアタックに転じた。続けてヴィンチェンツォ・ニバリも飛び出すと、トレック新旧エースは勇敢なる前進を始めた。

前日の未舗装路ステージでタイムを落とし、総合2分24秒差に後退したとは言え、大会序盤から絶好調なチッコーネと、手首の骨折直後ながらなお4分11秒差に踏みとどまるニバリの後を、もちろんイネオスが責任を持って追った。いまだベルナルは4人の補佐役を残し、ジャンニ・モスコンが猛烈に距離を縮めるが、「2人とオートバイとの距離が近いせいで、スピードがすごく速い」と察知するや、大胆にもマリア・ローザ本人が2人を回収に向かった。

おかげでメイン集団は再び落ち着きを取り戻すが、またしてもトレックが動いた。今度はニバリが、得意の下りを利用して、単独でスピードを上げた。しかも濡れた路面でのクレイジーな賭けに慌てたか、背後にいたモスコンが落車してしまうアクシデントも。だからこの時ばかりは、ベルナル親衛隊は、無理な追走を取り止めた。

「ニバリは経験豊富な選手だし、間違いなくジロの勝敗を左右する選手のひとり。大いに尊敬もしている。でも彼にダウンヒルでついていくのは、落車の危険があることを意味する。それに下り終えた後、ラスト4kmはフィニッシュまで平坦だと分かっていた。まだ僕のそばには複数のチームメートがいたから、心配する必要はなかった」(ベルナル)

偉大なるニバリはフィニッシュラインまで独走を貫いた。現役では2人しかいない3大ツール全制覇のチャンピオンのわずか7秒後に、ベルナルを含むメイン集団は長い1日を終えた。最終的に総合トップ10圏内は順位・タイム差共に一切の変動はなかった。前述の通り、第11ステージ終了時点で総合11位につけていたソレルの途中棄権で、前日総合19位までの選手たちはそれぞれ1つずつ順位を上げている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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