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【速報 ジロ・デ・イタリア2024】フィニッシュ手前3kmの無印峠でポガチャルを追いかけたナルバエスがステージ優勝/第1ステージ
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最初のアタックには、25歳でジロ新人賞を獲得したウランが張りついてきた。23歳でツールのマイヨ・ブランを着用したナイロ・キンタナも、少々ためらった後に、追いかけてきた。24歳でラルプデュエズを勝ち取ったローランと、U23でロード世界チャンピオンに君臨したファビオアンドレス・ドゥアルテとも合流した。2012年8月1日にプロ転向して以降、いまだ一度も勝ったことのないサルデーニャっ子は、こんな世界の強豪たちを振り切るために再度の加速を試みた。「何事も勉強」、「上達あるのみ」と。
「アタックしたはいいけれど、自分にどの程度エネルギーが残っているのか、まるで分からなかったんだよ。でも、とにかく、トライする必要があった。だってボクはこの大会に学びに来ているのだから。そして背後から誰もついて来ていないと知って、信じられない思いで一杯になった」(アール)
パンターニの思い出の山は、チームメートであり、第2のパパでもあるパオロ・ティラロンゴと共に、入念な下見を済ませていた。1998年当時28歳だった「イル・ピラータ」が、トンコフを突き放して、独走を始めたのは2.5km地点。アールはそこから400mほど上がった地点から、フィニッシュラインまでの勝利街道を走り始めた。
「今までのプロ生活で味わったことのない、新しい感覚を得た。夢が現実のものとなった。でも、だからといって、ボクは何も変わらない。1日1日を生きていく。この先のジロに関してもそうだし、将来に関しても。ただ地面に両脚をしっかりつけて生きていく」(アール)
年下に置き去りにされた4選手では、キンタナが仕掛け、ローランが呼応した。最後までマリア・ローザに付き合ったドゥアルテも、とうとうウランを置き去りにして先を急いだ。アールから21秒遅れでフィニッシュラインにたどり着き、キンタナは3位のボーナスタイム4秒もさらい取った。あえて自己のペースで走り続けた(と強調する)ウランは、アールから42秒、ライバル3人から21秒遅れて休養日前のステージを追えた。
「今日は日曜日だから、仕事はお休みの日じゃないの?(笑)だから仕事する代わりに、自転車ライドに出かけたのさ!アールのアタックは予想していなかった。あまりに強くてビックリしたよ。しばらくは彼についていけたけど、でも、ボクに脚がなかったね。もしかしたらタイムトライアルで力を使いすぎてしまったのかもしれない。昨日に比べたら調子は良くなっていたけれど、だからって最高の状態でもなかった。だから、無理せずに、マイペースで上るほうを選んだんだ」(ウラン)
ラファル・マイカとドメニコ・ポッツォヴィーボは、少々後れを取り、フラストレーションの溜まるステージとなった。カデル・エヴァンスにとってはひどい1日だった。若造たちの爆発的なパワーに、37歳大ベテランは上手くついていくことができなかった。アルから1分13秒を、ウランからは31秒を、キンタナからは51秒を失った。総合ではアールが7→4位(総合2分24秒差)、キンタナが6→5位(2分40秒差)、ローランが9→8位(4分47秒)と順調にランクアップ。また首位ウランは、確かに前述の3人からはタイムを失ったが、実のところ総合2位エヴァンス以下との差は32秒→1分03秒へと大きく開いた。
選手たちにとっては、嬉しい大会3回目の休養日がやって来る。第14ステージの落車で腰を痛めた新城幸也にとっても、恵みの休養日となる。
「仰向けでは痛いので、うつ伏せか横向きにしか眠れませんが……。でも、明日は、ゆっくり睡眠をとりたいですね。足りない分はお昼寝もして。前回の落車と違って、整骨師がすぐに治療をしてくれたので、やっぱり効果の早さを感じていますよ」(新城)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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