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大会最初の山岳ステージで、前方は大いに活気付き、後方はティンコフ・サクソが鍵をかけた。オリカ・グリーンエッジは作戦を完璧なまでに遂行した。74人のゴールスプリントを制したのは、前夜のマリア・ローザ記者会見で「第3ステージは僕向き」と宣言していた、マイケル・マシューズだった。
気温は30度近くまで上がり、真夏のような陽気がジロ一行を包み込んだ。すっかり熱に浮かれたプロトンは、ヨーイドンで、とてつもないアタック合戦へと飛び出した。小さな一塊がアタックし、前方に集団を作る。また別のグループが前へ出て、前方集団に追いつく。単独で追いかけを図り、賭けを成功させる者もいれば、自滅する者もいた。いつしか25人の大きな集団が出来上がった。エスケープの顔ぶれはひどく豪華だった。なにしろディエゴ・ウリッシ、フィリップ・ジルベール、アダム・ハンセン、トム・ボーネンという強豪が勢ぞろいしたのだから!
「あれほど大きな逃げ集団が出来るとは思っていなかった。でも、僕らのチームも前に2人送り込んだから、追走の必要もなく、安心して走ることができた」(マシューズ、公式記者会見より)
開幕前の水曜日に、オリカ・グリーンエッジは、チーム全員でこの第3ステージの最終80kmを下見していた。ハードな戦いが繰り広げられるだろうことは、あらかじめ覚悟していた。「おそらく60人程度の集団スプリントで終わるだろうね」と、オリカのヴィットーリ・アルジェリ監督は、レースの締めくくり方さえ予言していた。
「緊張感を強いられるコースだよ。でも自信はある。我々には、まだ4人、マリア・ローザの可能性がある選手が残っているからね。マイケル・マシューズ、サイモン・ゲランス、サイモン・クラーク、エステバン・チャベス、この4人でジャージを守りに行く」(アルジェリ監督、スタート前)
こうしてクラークとチャベスの山岳強者が、逃げ集団にきっちり滑り込んだ。エスケープが最後まで逃げ切った場合は、この2人が、マリア・ローザのために戦う予定だった。マシューズとゲランスは後方待機組に回った。集団フィニッシュにもつれ込んだら、もちろん、彼ら2人の出番がやってくる。
総合優勝本命を抱えるティンコフ・サクソも、マヌエーレ・ボアーロをエスケープに潜り込ませた。それにも関わらず、アルベルト・コンタドールは、残るチームメート総動員で隊列を組んだ。理由は前日と同じ。どんな些細な問題が入り込む余地さえ、与えるつもりはなかったから。
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