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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】仲間の棄権とスタッフのコロナ感染...カレブ・ユアンが暗闇に光を差す会心の勝利「今後はみんなもうちょっとリラックスできる」 / 第3ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか表彰台で手を振るカレブ・ユアン
ようやく静かな時間が訪れたような、それでいて小さな逸話に事欠かない、そんな不思議な1日だった。出場全スプリンター中で最もチームメートが少ないカレブ・ユアンが、ステージを力強く締めくくり、15日目のマイヨ・ジョーヌを堪能したジュリアン・アラフィリップは、少なくともあと1日は全力で守ることを宣言した。
雨と落車と山。ひどい緊迫感に包まれた開幕の週末が終わり、新しい週が始まった。フランスにとっては夏休み最後の日。南仏のリゾート地ニースからバカンス客の姿は消え、ツール・ド・フランスのプロトンもまた、新たな土地へと旅立った。
大部分の選手にとっては、この3日目こそが、お休みだったのかもしれない。序盤2日間の疲労をできるかぎり癒し、翌日第4ステージの、今大会初の山頂フィニッシュへ向けて英気を養わねばならない。しかもコース序盤には、細かい雨も降っていた。だからスタートと同時に4選手が弾丸のように駆け出して行くと、その背後で、メイン集団は静かにペダルを回した。
奇妙な逃げの、奇妙な結末。前日1つ目の1級峠で「抜け駆け」したブノワ・コヌフロワと、2つ目の1級峠で「いけず」をしたアントニー・ペレスが、揃って逃げ出した。両者の山岳ポイントはいずれも18pt。この日の朝は総合順位の差でコスヌフロワが山岳ジャージの着用権利を手にしたが、第3ステージ上に散らばる4つの山岳でより多くの得点を収集したほうが、夕方に赤玉を着ているはずだった。
コヌフロワは絶対にジャージを脱ぎたくなかった。チームメートのオリバー・ナーセンの協力で、まんまと逃げには滑り込めた。ところが北クラシック巧者が仕事を終えてプロトンへ後退してからは、苦戦続き。1つ目の3級峠では山頂スプリントでぺレスにしてやられた。立て続けに訪れた2つ目の山では、積極果敢に先頭で突き進んだはずが、やはり後輪で力をたっぷり温存していたぺレスに先を越されてしまう。これにてぺレス22pt、コスヌフロワ20pt。
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