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3年越しの念願を、マイケル・マシューズがついに実らせた。オリカ・バイクエクスチェンジのチームメート、ルーク・ダーブリッジとダリル・インピーとの3人体制で、戦術的につかみとった勝利だった。「逃げでは僕が最強だった」とうそぶくペーター・サガンは、大いに働き、大いにライバルを警戒させ、大いにファンを魅了して…、区間2位でマイヨ・ヴェールを取り戻した。スプリンター集団は途中で追走を断念し、翌日の平地ステージに気持ちを切り替えた。霧の深いダウンヒルや、風の強い平地で、総合系選手は極めて守備的に走った。
どのチームバスの周りにも、選手全員分のローラー台が用意されていた。誰もが早めに出走サインを済ませると、黙々とペダルを回した。数人の選手たちは……、たとえばシルヴァン・シャヴァネルや、ティンコフの数選手は、コース上へ実際に走りに行った。ともかく、すべての選手にとって、ウォーミングアップは必須だった。なにしろスタートフラッグが切られた瞬間から、1級アンヴァリラへの上りが始まるのだ!
事前準備に念を入れたのは、選手だけではない。数チームは大きなアンテナを付けた偵察カーを先行させた。地形や天候状況を、チームカーへ逐一連絡するためだ。ティボ・ピノが逃げに乗るはずだったから、エフデジはチームカーそのものを先に走らせた。山道では、脱落組みや、メイン集団を、速やかに追い抜くことは難しい。あらかじめ前を走っていれば、逃げが出来上がり、十分なタイム差がついた瞬間に、たやすく先頭集団の後ろに入り込むことができる。
シナリオ通りに、休養日明けの193選手は、アグレッシブに山道へと走り出した。最も意欲的だったのが、おなじみ「山でマイヨ・ヴェール獲り」が得意なペーター・サガン。十分に足慣らしを済ませたチームメートたちの協力を得つつ、前方行きの切符をもぎ取った。ちなみにティンコフの面々は、もう1つ大切な課題を抱えていた。それはラファル・マイカの山岳賞獲りのために、現時点で赤玉を着ているピノに山岳ポイントを取らせないこと。
「とにかくスタートから何度もアタックを試みた。でも、マイカが僕の逃げを警戒して、必ず飛び出しを潰しに来た。どうしても逃げられなかった」(ピノ、ミックスゾーンインタビュー)
こうしてエフデジのチームカー先行は、結局のところ無駄に終わった。ローラー台でじっくりウォーミングアップして臨んだルイ・コスタが、今大会最標高地点のアンヴァリラ山頂で「アンリ・デグランジュ記念賞」を手に入れた。
下りに入った途端に、天候はがらりと変わる。アンドラ側は、素晴らしくお天気だった。フランス側は、視界がすべてが真っ白になるほどの、濃霧に覆われていた。すると1964年第14ステージ……つまりアンドラ休息日の翌日、上りで遅れたジャック・アンクティルが、下りでスーパーダウンヒルを実現させた時と、まったく同じ条件だ!そして、この伝説的な下りで、怖いもの知らずの15選手が逃げ集団を作り上げる。
とにかく豪華で、確かな実力者ばかりが揃っていた。新旧ロード世界チャンピオンのサガンにコスタ(マイケル・マシューズもU23世界王者)、元トラック世界チャンピオンのダーブリッジ、グランツール総合優勝4回のヴィンチェンツォ・ニーバリに、2015年ジロ総合3位ミケル・ランダ。マイヨ・ジョーヌ着用経験者が5人で、区間勝利経験者は8人。ついでにクラシック覇者だけでも6人、etc……。
霧に紛れて逃げ出した実力者15人は、しかも霧から、好アシストを受ける。3日前に下りの上級テクニックを披露したばかりのクリス・フルームだが、視界10メートルの世界で、さすがに無茶な危険を冒すつもりなどなかったからだ。チーム総出で集団前方を制御し、きっちり状況を制御する方を選んだ。
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