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サイクル ロードレース コラム 2018年7月20日

ツール・ド・フランス2018 第12ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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そしてトーマスの後輪から、フルームは予定通りアタックに転じる。残り4kmだった。黄色い発煙筒がもくもくと焚かれる中、バルデに追いつき、さらには単独で先頭を突っ走り始めた。

ここで悲劇が起こる。真っ先にフルームの動きに反応したニバリが、次の瞬間、アスファルトに背中から転落してしまったのだ。

「道幅が急に狭まった。道の両脇に突如としてフェンスが現れたからだ。その瞬間、前を走っていた警察のオートバイ2台が、僕の目の前で『閉まった』。地面に激しく叩きつけられた。一瞬何が起こったか分からなかったし、息が出来なかった。すごく背中が痛んだ。それでも歯を食いしばって先を続けた」(ニバリ、フィニッシュゾーンインタビューより)

極めて皮肉なことに、ニバリの進行を邪魔したフェンスは、2018年大会から採用された「安全対策」の一環だった。通常ならばこの種のフェンスは、残り1.5km地点からフィニッシュラインまで設置される。ところが開催委員会は、今年、山頂フィニッシュステージでは必要に応じて最終3~4kmに延長することに決めた。目的はもちろん、2年前のモン・ヴァントゥでの事故のような――例のフルームが「ランニング」する羽目となった――、観客・オートバイ・選手の接触を避けるため。また今年のラルプ・デュエズでは、第21番カーブの周辺にもフェンスが張り巡らされた。さらに「オランダ人のカーブ」には10人以上の警備員が配置され、一部のゾーンでは、実は例年に比べて騒ぎは控えめだった。

不運な事故を境に、戦いはますます過熱していく。残り3.5kmでフルームが、逃げのクライスヴァイクを追い抜くと、もう1人のオランダ人トム・デュムランが猛然とスピードを上げた。トーマスとバルデは後輪にすかさず張り付き、ランダもしぶとく追いついてきた。さらにバルデは2度加速を畳みかけ、デュムランも改めてもう1度攻撃を仕掛けた。

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