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それでも「オランダ人の山」ラルプ・デュエズには、単独先頭で飛び込んだ。「オランダ人のカーブ」、つまり第7カーブでは、オレンジ色に身をまとったたくさんの祖国のファンたちから、あらん限りの声援を受けた。果たして努力は無駄になってしまっただろうか。クライスヴァイクは生まれて初めての敢闘賞「赤ゼッケン」を手に入れた。
クロワドフェールからの下りで、メイン集団の主導権は再びスカイの手に渡る。さらにはラルプ・デュエズに入ると、エガン・ベルナルに牽引役が託された。この21歳の若者は、マイヨ・ジョーヌ姿のトーマスと、ディフェンディングチャンピオンのクリス・フルームを背負って、とてつもない仕事をやってのける。
まずは谷間で少し人数を増やしたメイン集団を、再び小さく絞り込んだ。しかも残り10kmでヴィンチェンツォ・ニバリがアタックを打とうが、その1kmほど先でナイロ・キンタナが強烈な加速を切ろうが、トーマスやフルームの手を煩わせることはなかった。5月のツール・ド・カリフォルニアで驚異的な山の脚を見せた新人は、ただほんの少しだけスピードを上げ、2人のチャンピオンを速やかに回収した。
残り7kmでミケル・ランダが大きな一発を打ち、すかさず後輪に飛び乗ったロマン・バルデがカウンターで飛び出して行った時も、やはりベルナルが追走役を遂行した。
「フルームとトーマスのために働けるなんて、僕にとっては素晴らしい経験だ。誇らしいよ。次々とアタックが起こった時、実はすでに限界に近かった。だけど今日はフルームがアタックをかける予定だったから、とにかくフルームの準備ができるまで、ライバルたちとの差を最小限に抑えておく必要があったんだ」(ベルナル、フィニッシュゾーンインタビューより)
ちなみにラスト4.5kmでベルナルが仕事を終えた直後、現マイヨ・ジョーヌが昨大会のマイヨ・ジョーヌを「アシスト」する場面も見られた。「フルームこそがリーダーだ」と繰り返すその言葉を、行動で証明した。
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