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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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「パリまで守り切れなくても失望はしない。ただ、自分の手で追い求めて、つかみ取った大切なジャージなんだ。だから簡単に手放すつもりもない。あちこちで少しずつポイントを収集しつつ、この山岳ジャージの日々を楽しみたい」(アラフィリップ、ミックスゾーンインタビューより)
ローランの独走は、超級クロワドフェールの上りで終止符が打たれる。代って飛び出したのがクライスヴァイクだ。全長29kmの長い山道の、最も勾配の厳しい序盤で、なにげなくするりと前線へ抜けだした。フィニッシュまでいまだ73kmも残っていたというのに、そのままひとりで山を登り始めてしまった。
「逃げに入る計画はなかった。でも一旦入った後に、こんな風に思ったんだ。『前に行こう。さもなきゃ僕の努力は無駄になってしまう』とね」(クライスヴァイク、ミックスゾーンインタビューより)
クライスヴァイクはひたすら淡々と高速リズムを刻み続けた。後方ではバルギル、ニエベ、マイカの3人が束になって追走を企てたが、もう2度とクライスヴァイクの背中を拝むことは出来なかった。メイン集団からも、一時は7分近くものリードを手に入れた。
ただ本人が「結果は出なかった」とフィニッシュ後に肩を落としたように、クライスヴァイクには、あと3.5kmが足りなかった。生まれて初めてのグランツール区間勝利に、無念にも手が届かなかった。
メインプロトンが急速な追走に乗り出したせいだった。なにしろオランダ生まれのGCライダーは、前ステージ終了時点で総合わずか2分40秒差でしかない。マドレーヌ峠の下りでは暫定マイヨ・ジョーヌにさえ立っている。危険人物をこれ以上泳がせておくわけにはいかない、とAg2rとモビスターがスカイから集団制御権をむしり取り、スピードアップを敢行した。ちなみにスカイは監督から「あわてるな。相手は1人だし、最後には必ず苦しんでペースが落ちるはずだ。落ち着いて行け」(トーマス、公式記者会見より)と無線で声を掛けられていたらしい。
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