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【2022ウインターカップ女子プレビュー】2020年代突入後に始まった2強、京都精華学園の初優勝か、それとも桜花学園の5連覇か?
ウインターカップコラム by 青木 崇ウインターカップ女子
約10年続いた桜花学園と岐阜女による2強体制は、ここ数年で京都精華学園が台頭という形で変化した。昨年の決勝では桜花学園に4点差で惜敗を喫したものの、キャプテンとなったイゾジェ・ウチェ、、U17代表で世界と戦ったフォワードの八木悠香、視野の広さとパスセンス抜群の堀内桜花が今年もチームの中心選手となっている。
4連覇を狙う桜花学園は、キャプテンの横山智那美が中心。しかし、昨年のスターターが4人卒業したという経験値の差が少し出たのか、インターハイの3回戦で京都精華学園に2点差の惜敗を喫してしまう。インターハイの頂点に立った京都精華学園に対し、桜花学園はこの敗戦を糧にチーム強化を進めた成果が出て、U18トップリーグでは2点差で雪辱。ウインターカップでの対戦が実現すれば、今年度の高校女子バスケットボールの最強チーム決定戦と言ってもいい。
留学生2人を擁する京都精華学園に対し、桜花学園のフロントラインは日本代表合宿にも参加した福王伶奈、フィジカルとリバウンドの強さを兼備する深津唯生の奮闘が欠かせない。その理由は、両校ガード陣の実力が拮抗しているからだ。インターハイもU18トップリーグも2点差という結果を経て迎えることが濃厚のウインターカップ準決勝では、京都精華学園が八木と堀内、桜花学園が横山という昨年の決勝を経験している選手の出来、大事な局面でショットを決められるかが、勝敗を左右することになるだろう。
組み合わせ抽選の結果、桜花学園は第1シードの京都精華学園と同じ左側に入ったため、順当に勝ち上がれば準決勝で対戦することになる。インターハイとU18トップリーグの戦いぶりを振り返ってみれば、この2校のいずれかがウインターカップの頂点に立つ可能性が高い。桜花学園からすれば、準々決勝で対戦する可能性が高い東海大学付属福岡戦は、留学生への対応を経験できる点でプラス。しかし、東海大学東海大学付属福岡もインターハイ3位の実力校であり、ファール・アミナタがインサイドを支配するような展開に持ち込めれば、桜花学園撃破もありうるだろう。
京都精華学園と桜花学園が2強を構成しているものの、勝負の世界には絶対などない。この2チームと反対側に入った強豪校たちは、なんとか決勝まで勝ち上がり、バスケ界に大きな衝撃を与えたいという思いで挑んでくるはずだ。
2強に続く勢力の1番手は、ここ6年で準優勝1回、3位が3回という大阪薫英女学院。得点センスとゲームメイクのうまさを兼備した都野七海を軸に、U18トップリーグで平均21.1点、10.4リバウンドと活躍した島袋椛ら、スターターの5人全員が2ケタ得点を計算できる。ローテーションに入っている選手の最長身が174cmと決して大きいチームではないものの、安藤香織コーチが用意した戦術とゲームプランをしっかり遂行できる力は、対戦相手からすれば非常に厄介である。
そんな大阪薫英女学院に立ちはだかるのは、インターハイで30点差の大敗を喫した後、U18トップリーグで対戦した際に64対51で雪辱した岐阜女。桜花学園と京都精華学園に敗れたものの、U18トップリーグを5勝2敗の成績で終えたことは、ウインターカップに向けて大きなプラスだ。3Pシュート力が武器の(糸に白)野夏海、インサイドの核となるジュフ・ハディジャトゥが中心も、司令塔として1年生の林琴美がU18トップリーグで平均5.1アシストを記録するなど、夏以降に大きく成長した。安江満夫コーチがディフェンスのいいチームを作ることに長けている指揮官だけに、190cmというハディジャトゥの高さを最大限生かすことができれば、3年ぶりにメインコートへ戻ったしても不思議ではない。岐阜女にとって最初の難関は、2回戦でインターハイ3位の八雲学園戦になる。
組み合わせ右上の有力校は、昨年の準々決勝で桜花学園に2点差で敗れ、インターハイもベスト8だった明星学園。U18トップリーグでは、コーチ交代や留学生のアダム・アフォディヤの故障による欠場もあり、1勝6敗という成績に終わった。しかし、アフォディヤの高さを生かしてインサイドで優位に立ちながら、昨年からの主力である池田凛と梅村成理が得点源として活躍できれば、昨年以上の成績を残すことも期待できる。
最後に、ここまでで名前が出てこなかったチームによる1回戦の好カードは以下の通り。
・大阪桐蔭対四日市メリノール学院
・聖和学園対埼玉栄
・浜松開誠館対開志国際
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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