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パソコンの編集画面 筆者提供
最近、3歳半になる息子が「負けるんじゃねぇぞ〜♫」と歌いながら、プラスチックバットを振る日が続いています。時には「3回の裏、ドラゴンズの攻撃は〜1番キャッチャーおかだ〇〇※息子の名前」と、打つ気満々の表情でいろんな選手の打つ前のルーティンを真似することも。さらには、「たこ焼きなんぼでマンボ♫」と自らの登場曲を口ずさみながら打席入り。野球ファンなら誰もが一度は妄想する「自分の登場曲設定」を、わずか3歳にして始めました。
筆者提供
ドラゴンズ以外にも好きな選手がいるようで、「3番まきしゅうご!4番さとうてるあき!5番きゃべっじ!6番おかだ〇〇!」と、超強力打線の一角を担う日もありました。私の仕事はまだ理解していないと思いますが、プロ野球の知識をどんどん増やしていく姿に日々驚かされています。
そんな息子も釘付けになっていたという、7月末に行われたオールスターゲーム。私はドラゴンズのYouTubeを始めとした動画コンテンツを制作するために参加させていただきました。
まだまだ健在だった「88世代」
今年のドラゴンズ公式YouTubeのオールスター関連で最も再生数を伸ばしたのは、大野雄大投手の動画でした。当初は1学年上のタイガースのドリス投手しか年の近い選手が選出されておらず、「話す人がいないかも…」と不安を口にしていた大野投手。それでもプラスワン投票で同じ1988年生まれの坂本勇人選手、柳田悠岐選手が直前に選出されました。
ドラゴンズ公式YouTubeより
全体集合では大野投手が坂本選手に「色々しゃべりたいんだって!」と近くにいた村松選手を引き合わせ、練習中には二人で軽快なトークを披露。大野投手がタイガースファンに戻ったかのように発した「9回球児」には、カメラを持っているのを忘れてゲラゲラと爆笑してしまいました。88世代の選手が集まる年末のテレビ特番は、私の毎年の楽しみ。今年はどんな旅になるのか今からワクワクしています。
中日ドラゴンズ公式チャンネル
【2026オールスター④】ヘッドコーチ就任で9回はあのレジェンドに託す⁉ #大野雄大 投手の第1戦に密着 #Dragons_Inside
12年前に出会った師匠との再会
毎年オールスターで再会するのを楽しみにしている方がいます。千葉ロッテマリーンズ広報室長の梶原紀章さんです。
NPBの球団YouTubeの先駆者であるマリーンズ。私はその始まりを近くで見ていました。野球記者1年目の2014年、マリーンズの担当をさせてもらいました。「これって、撮りやすい?」 ビデオカメラを持つテレビ各局の担当者に聞いてまわっていた梶原さんの姿を覚えています。そしてその年、今では球団YouTubeの定番コンテンツとなっている「広報カメラ」が始まりました。取材メディアが入れない、ファンが見たことのない映像を撮影し、どんどん世に出していきました。そんな姿を見て、私もいつかプロ野球チームの中に入りたいと思うようになっていったのです。
ドラゴンズ公式YouTubeより
梶原さんは前職のスポーツ紙記者の経験を活かして記事も書き、そして石橋貴明さんのYouTube出演をきっかけに「カジー」とあだ名が付き、出役として認知されることも多くなりました。様々なツールで内部からチームや選手の魅力を発信している梶原さん。いつお会いしてもパワフルで、何か面白いことをしてやろうと企んでいます。今年のオールスターでもドアラを挑発して、ガチの大外刈りを喰らっていました…笑
放送後に反響を呼んだ、見たことのない映像
2015年、マリーンズのスカウトに密着する企画を制作させていただきました。当時スカウトを務めていた諸積兼司さん(現二軍外野守備・走塁コーチ)にスポットを当て、日頃の試合視察に密着。活動時の必需品はマウスウォッシュ、視察先で出会った皆さんに良い印象を持ってもらいたいから、という理由でした。
千葉ロッテマリーンズ公式チャンネル
今では各球団が公開するドラフト会議の裏側(2019年佐々木朗希投手の交渉権獲得の様子)
そんな特集VTRの佳境は、ドラフト当日。そこでお力を借りたのは梶原さんでした。メディア立ち入り厳禁のスカウト控室の様子を梶原さんに撮影いただき、競合した1位指名の交渉権獲得の瞬間の歓喜、その後諸積スカウトの担当選手が指名された瞬間、所属チームへ電話する様子、などを収めていただきました。全く見たことがない映像の数々で、放送後に大きな反響を得ました。
そしてこの記憶を詳細に掘り起こし、現在ドラゴンズYouTubeでスカウト密着特集を制作中です。こちらは公開のめどが立ったらご報告いたします。
ドラゴンズ公式YouTubeが担う新たな役割
梶原さんが切り拓いた「チームの裏側を見せる」という文化は、今では12球団で当たり前の光景となりました。近年ドラゴンズでは、新入団選手だけではなく、新入社員にも「ドラゴンズのYouTube見てました!」と言ってもらえるようになりました。そんな若手社員たちが担当する各イベントを球団YouTubeでも扱ってほしいと依頼されることが多くなってきました。これまで社内には無かった、球団YouTubeを活用しようという思考が根付き始めたように感じています。最近では「来季のファンクラブユニホームを初めて選手と決める経緯を記録してほしい」と、数回の会議、完成イメージを藤嶋選手会長に報告する様子を撮影しました。
中日ドラゴンズ公式チャンネル
新ユニホームは選手考案! #Dragons_Inside
私も球団YouTubeを担当するようになり、梶原さんとは交流戦やオールスターの現場で定期的に顔を合わせています。そんな再会の中で、「おい!オカ!うちの真似すんじゃねぇよ!」と言っていただけたときは、同じ土俵に立てたようで胸が熱くなりました。オールスターという特別な舞台に参加できること、そして師匠との再会は、私の原動力です。
冒頭に話を戻します。3歳の息子はバッターだけじゃ飽き足りず、肩をグルグル回してランナーコーチや「アーイ!」と甲高い声で審判の真似をするようになってきました。毎日恐ろしいスピードでプロ野球の知識を吸収し、成長しています。彼に負けないスピードで、私も映像ディレクターとしてアップデートし続けること。そして来年の夏も師匠に会えるよう、精進していきます。
家族と初めて訪れたエスコンフィールドで
筆者提供
筆者提供
文 岡田昌尚(フリーディレクター)
岡田昌尚
1986年2月1日生まれ。愛知県名古屋市出身。キー局制作会社で10年間勤務し、2021年4月中日ドラゴンズに入社。25年4月よりフリーで映像制作などを行う。
テレビ制作では、旅・バラエティ番組のADを経て、スポーツ番組を担当。2016年頃から長編ドキュメントVTRを制作するようになり、密着取材の経験を積んだ。中日ドラゴンズでは、未開拓であった動画コンテンツの制作・発信に従事。22年には球団初となるドキュメンタリームービーを制作した。最近ハマっているYouTubeチャンネルは『うじとうえだ』。
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