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玉村昇悟(カープ)
広島東洋カープvs. オリックス・バファローズ @マツダスタジアム
◆日程と先発予想
・6月5日(金)18:00 カープ:玉村 昇悟/バファローズ:ジェリー
・6月6日(土)14:00 カープ:森下 暢仁/バファローズ:田嶋 大樹
・6月7日(日)13:30 カープ:岡本 駿/バファローズ:宮國 凌空
J SPORTS STADIUM2026
◆みどころ
2005年から2025年までの通算対戦成績は28勝45敗1分。2018年から2022年までは12連敗と、最も苦手としているチームの1つであるバファローズだが、新井貴浩監督が就任した2023年以降は4勝5敗とほぼ五分の成績で、マツダスタジアム開催の2024年は2勝1敗と勝ち越している。
今回の3連戦は、エスピノーザ、九里 亜蓮、曽谷 龍平の登板はなさそうだが、初戦の先発.ジェリーは今季から加入した新外国人で、213センチの長身右腕。ここまで8試合に登板して2勝2敗、防御率1.58と安定している。また、オープン戦でカープと2度対戦し、通算9イニングで被安打4の無失点。カープ打線にとっては対応が難しい相手だ。
第3戦はいわゆる「ローテの谷間」となるが、5月30日のファーム・リーグでの先発で7回1失点と好投した宮國凌空が相手になりそう。昨季の打者別対戦成績では、モンテロが12打数5安打の打率.417と好相性。小園 海斗は14打数5安打の打率.357、さらに2024年も打率.333と打っている。
ちなみに2023年までカープに在籍した西川龍馬と、2年間の対戦成績は21打数6安打の打率.286となっている。
◆今季のバファローズ:突出した選手はいないが総合力で上位進出
2021年からのリーグ3連覇から、2024年は5位に沈んだが、昨季は3位と立て直した。今季は開幕から安定した戦いを続けて、30勝25敗で貯金5。首位ライオンズから3.5ゲーム差の3位につけている。
開幕から2カード連続勝ち越しと好調な滑り出しから、ファイターズに3連敗を喫したが、すぐにマリーンズに3連勝と帳尻を合わせた。4月は2度の4連勝もあり、3・4月は17勝10敗の好成績。5月に入るとゴールデンウィーク明けから4連敗と苦しい時期もあったが、月間成績は13勝12敗とプラスで終えた。
交流戦ではベイスターズ、ドラゴンズに2カード連続勝ち越しと好スタートを切ったものの、ジャイアンツにいずれも1点差で3連敗を喫し、交流戦での勝率は4勝5敗と、5割を切っている。
チーム成績を見ると、得失点差は+7と特筆するほどの数字ではなく、チーム打率.245はリーグ3位、チーム防御率3.31はリーグ4位。注目したいのがチーム失策数で、13は12球団最少と、内外野で鉄壁の守備が強みとなっている。
個人成績を見ると、エスピノーザと九里 亜蓮の両先発右腕が5勝と勝ち頭で、防御率も2点台(エスピノーザ2.21、九里2.81)と安定しているが、この3連戦の登板はなさそう。リリーフ陣はクローザーのマチャドが16セーブで防御率1.42と安定しているが、チーム最多登板の椋木 蓮、山﨑 颯一郎はともに防御率3点台と、やや安定感を欠く。
打撃陣は3割打者不在で、チーム本塁打トップが紅林弘太郎の6本と大砲不足は否めないが、チームで打率トップの中川 圭太(.284)、盗塁数トップ(11盗塁)で外野守備での再三の好守が光る渡部 遼人や、西川 龍馬(19打点)など、しぶとい印象の打者が揃い、さらに故障離脱していた、チーム打点トップの太田 椋(21打点)が、6月2日に戦線復帰したのも好材料だ。
◆カープ戦でのバファローズ注目選手
★投手:田嶋 大樹
左肘の故障で離脱中の宮城 大弥と並ぶ先発左腕として長年チームを支え続けている存在だが、交流戦のカープ戦では、2019年から交流戦がなかった2020年を除く6年連続で先発登板している。
6年間の通算対戦成績は3勝1敗、防御率1.97と、カープにとっては『天敵』とも言える存在。6回無失点が三度、5回無失点が一度、5回1失点が一度で、唯一、4回までに6得点を奪ってKOしたのが2024年。
この年は末包 昇大が本塁打を放ち、秋山 翔吾が2安打しているが、いずれも現在は二軍調整中で、6年間で田嶋から1試合で複数安打を記録したのは同年の矢野 雅哉、2022年の中村 奨成(3安打)、會澤 翼のみとなっている。
★野手:中川 圭太
NPBで最後のPL学園高校出身として知られる選手だが、今季の交流戦ではここまでの9試合で打率.424と、12球団トップの成績を残している。
5月26日からのベイスターズとの3連戦は、スタメン出場は2試合で8打数3安打に終わったが、続くドラゴンズ3連戦では2試合連続で3安打猛打賞を記録するなど、12打数8安打と大当たり。
ジャイアンツ戦では第2・3戦で1安打だったが、初戦に2安打と、5試合連続マルチ安打を記録している。5月に入って1番での出場が多くなっているが、クリーンアップでも起用されることもある打力は、カープ投手陣にとっては要警戒の選手だ。
◆バファローズ所属の広島県、広島の高校出身の選手
★山岡 泰輔
・ポジション:投手
・背番号:19
・出身地:広島県広島市
・経歴:瀬戸内高校 → 東京ガス → オリックス・バファローズ(2016年ドラフト1位)
瀬戸内高校では3年夏の引き分け再試合となった県大会決勝で、延長15回を完投して15奪三振を記録。再試合でも完封勝利を収めてチームを甲子園出場に導いた。
社会人の東京ガスを経て、2016年ドラフト1位でバファローズに入団。1年目から先発ローテ入りして8勝をマーク。プロ3年目の2019年には13勝4敗の好成績で最優秀勝率のタイトルを獲得し、同年に行われたWBSCプレミア12にも出場した。
★寺本 聖一
・ポジション:外野手
・背番号:054
・出身地:広島県広島市
・経歴:広島商業高校 → 広島経済大学 → オリックス・バファローズ(2024年育成ドラフト4位)
広島商業高校では甲子園出場がなかったが、進学した広島経済大学でリーグ戦通算12本塁打を記録し、大学選手権にも出場した。
豪快なフルスイングが身上の打撃は、高校、大学の先輩である柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)を彷彿とさせ、プロ1年目から二軍で13試合の出場ながら打率.385をマークした。今季もファーム・リーグで打率3割台をキープしており、支配下登録もそう遠くない日になりそうだ。
◆バファローズ所属のカープゆかりの選手・コーチ
★九里 亜蓮
・ポジション:投手
・広島東洋カープ(2014~2024)
・オリックス・バファローズ(2025~)
カープではドラフト1・2位で同期入団の大瀬良 大地とともに1年目から先発ローテ入りしたが、打線と噛み合いなどもあり、2勝にとどまった。
その後は先発、リリーフ兼任のシーズンが続いたが、先発一本になった2021年に自身初の2ケタ勝利となる13勝をマークして最多勝のタイトルを獲得。2024年オフにFA権を行使して、バファローズへの移籍が決まった。リーグが変わっても安定した投球で1年目から11勝と、先発の軸として活躍している。
★西川 龍馬
・ポジション:外野手
・広島東洋カープ(2016~2023)
・オリックス・バファローズ(2024~)
ドラフト5位入団ながら、その天才的な打撃で1年目から62試合に出場して打率.294をマーク。その後は故障が多く、規定打席に届かないシーズンも多かったが、規定外のシーズンも含めて打率3割台を4度記録している。
2019年には16本塁打と長打力もあり、貧打に悩むチームの主軸打者として活躍した。2023年オフにFA権を行使してバファローズに移籍。2024年は規定打席に到達したが、打率.258と自己ワーストの成績に終わり、昨季は打率.310をマークして首位打者も狙える位置にいたが、故障離脱で96試合に終わり、規定到達はならなかった。
★水本 勝巳
・役職:巡回統括コーチ
・広島東洋カープ(選手:1990~1991/コーチ:2007~2020)
・オリックス・バファローズ(2021~)
社会人野球の松下電器から1989年ドラフト外でカープに入団したが、2年のプロ生活で、一軍出場がなく現役引退。引退後は長年ブルペン捕手として裏方に徹していたが、2007年のシーズン途中からブルペンコーチ補佐を兼務し、2011年には三軍統括コーチに就任した。
その後は二軍バッテリーコーチなどを経て、2017年には二軍監督としてチームを26年ぶりとなるウエスタンリーグ制覇、ファーム日本一に導いた。ファームでの実績を買われて2021年からバファローズのヘッドコーチに抜擢され、2022年にはコロナ感染で休養となった中嶋聡監督に代わって監督代行を務めた。
★牧野 塁
・役職:投手コーチ
・広島東洋カープ(選手:2008~2009)
・オリックス・バファローズ(2024~)
東京都出身で山梨学院大学付属高校から、1992年ドラフト3位でオリックス・ブルーウェーブに入団。182センチから投げ下ろす右腕として、オリックス、阪神、東北楽天、広島の4球団でプレーした。NPB通算では222試合に登板し、13勝23敗2セーブ、防御率4.33を記録。2008年途中に広島へ移籍し、2009年まで在籍して現役を引退。
引退後は横浜で打撃投手、東北楽天でベースボールスクール・ジュニアコーチを務めるなど、育成現場でも経験を積んだ。その後は独立リーグの四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスで監督を務め、若手選手の指導にも携わった。2024年から古巣オリックスに投手コーチとして復帰している。
◆カープ所属のバファローズゆかりの選手・コーチ
★日髙 暖己
・ポジション:投手
・オリックス・バファローズ(2023)
・広島東洋カープ(2024~)
プロ4年目で21歳。宮崎県出身で富島高校から2022年ドラフト5位でオリックス・バファローズに入団。プロ1年目の2023年は一軍公式戦での登板はなかった。2024年1月、カープからオリックスへFA移籍した西川龍馬の人的補償として、カープへの移籍が発表された。
183センチ、75キロのしなやかな身体から投げ込む直球に加え、変化球も操る将来性豊かな投手。2025年は二軍で21試合に登板。防御率5.11と課題も残したが、古巣オリックス戦では6回1失点と好投した試合もあり、一軍デビューが待たれる若手の1人だ。
★藤井 彰人
・役職:一軍ヘッドコーチ
・大阪近鉄バファローズ(1999~2004)
・広島東洋カープ(2023~)
近大付属高校から近畿大学を経て、1998年ドラフト2位で近鉄バファローズに入団し、1999年から2004年まで在籍。2001年にはチームのパ・リーグ優勝を経験した。球団合併に伴う分配ドラフトを経て、2005年から2010年までは東北楽天でプレー。2011年に阪神へ移籍し、2015年限りで現役を引退した。
NPB通算では1073試合に出場し、打率.236、10本塁打、173打点を記録。現役引退後は、2016年から阪神からの出向の形で、BCリーグの福井ミラクルエレファンツでコーチを務めた後、2017年から阪神でコーチ。さらに2023年からカープの一軍ヘッドコーチに就任した。
★菊地原 毅
・役職:一軍投手チーフコーチ
・オリックス・バファローズ(2005~2010)
・広島東洋カープ(選手:1993~2004/2011~2013)、コーチ(2014~)
神奈川県出身で、相武台高校から1992年ドラフト2位でカープに入団した。左投左打の投手として、1997年に一軍公式戦初登板。2001年には78試合に登板し、2勝2敗、防御率4.91を記録した。2005年にオリックス・バファローズへ移籍すると、同年は71試合に登板し、3勝1敗1セーブ、33ホールド、防御率1.38の成績を残した。
オリックスには2010年まで在籍し、2011年にカープへ復帰。2013年限りで現役を引退した。NPB通算では474試合に登板し、15勝26敗3セーブ、107ホールド、防御率4.51を記録。現役引退後はカープのコーチとなり、2026年は一軍投手チーフコーチを務めている。
★迎 祐一郎
・役職:二軍打撃コーチ
・オリックス・ブルーウェーブ、オリックス・バファローズ (2000~2010)
・広島東洋カープ(選手:2010~2014/コーチ:2015~)
佐賀県の伊万里商業高校から1999年ドラフト3位でオリックス・ブルーウェーブに入団した。2002年に一軍公式戦初出場を果たし、2004年には44試合に出場して打率.267、5本塁打、14打点を記録した。オリックス・ブルーウェーブ、球団合併後のオリックス・バファローズでプレーし、2010年途中にカープへ移籍。
カープでは2014年まで現役を続けた。NPB通算では299試合に出場し、打率.196、10本塁打、40打点、13盗塁。現役引退後はカープのコーチとなり、2026年は二軍打撃コーチを務めている。
文:大久保泰伸/写真:産経新聞社
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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