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〜誠也とPCAがMLB打点ランクのワンツー〜
伝統的に「祝日となるメモリアルデー(5月最終月曜)はチームの調子を確認し、評価するのにちょうど良い時期」という通説があるMLBのレギュラーシーズン。シーズンのちょうど1/3が終わった5月下旬、期待通り・期待以上・期待外れ……結果に一喜一憂、でもシーズンはまだまだこれから。MLBコメンテーターの仕事と並行し、30年来のカブスファンである私MOBY、今シーズンは「何か、とっても良い感じじゃなぁい?」と、ご自身のInstagramアカウントで愛猫を褒めちぎる俳優・石田ゆり子さんの言い回しが浮かんでくるくらい、良い状況にあります。
5月27日終了時で34勝21敗、5月中に貯金12以上を記録したのは、108年振りに世界一に輝いた、あの2016年以来。ジャスティン・スティールはトミー・ジョン手術で今季終了、左太股肉離れの今永昇太は復帰が6月以降、先発投手の“飛車角落ち”な状況の中で何とかやり繰りしてチーム防御率は30チーム中の真ん中くらい。そんな状況の中、混戦が予想されたナ・リーグ中地区でカブスは首位を快走、ナ・リーグ全体でも上位に位置しています。
何を隠そう、今年のカブスはとにかく打ちまくっているのです。とりわけ得点(328)と打点(320)が30チーム中ぶっちぎりの首位なのです。そのカブス打線を牽引しているひとりが、鈴木誠也。キャリア2度目となる週間MVPを5月25日付で受賞、打撃各部門でナ・リーグ上位にランク、そして50打点は何とMLB全体のトップ。162試合ペースに換算すると何とシーズン159打点……おいおいマジかよ、球団記録かつ2000年以降では最高となる2001年サミー・ソーサ160打点(歴代21位)に肩を並べる勢いじゃないですか!初のオールスター出場、そして打点マシーンとしてこのペースを維持し、自身初のポストシーズン出場へ繋げて欲しいものです。
〜「40-40」も射程圏内〜
さて、今回はその鈴木誠也と仲良しコンビとして、ファンの間で「#PCEIYA」なるハッシュタグも使われ始めたカブス期待の若手、ピート・クロウ=アームストロングをご紹介出来ればと思います。マイナーの時点で守備と走塁はMLBトップクラス、だが課題は打撃と言われ続けていましたが、今シーズンは打撃でも期待を遙かに超える成績を記録しているのです。23年9月にデビュー、2シーズン136試合で10本塁打・48打点だったのが、今季55試合で既に14本塁打・49打点。打点に関しては鈴木誠也に次いでMLB全体2位。162試合ペースに換算すると42本塁打・144打点・42盗塁。そうです、「40-40」を超えるペースなのです。
打撃開眼の兆候は、実は昨シーズン7月下旬から窺えていました。それまではレッグキックで身体が投手方向に動きながらスウィングしていたのですが、ダスティン・ケリー打撃コーチの指導の下、体重を軸足に乗せたままスウィングすることを意識するようにしたのです。そこでそれまで10度クローズド・足の開き46.4センチだったスタンスを、2度オープン・足の開き78センチに変更、足を開き重心を低くしたところ、開幕から打率.180・OPS.523が7月27日以降は打率.289・OPS.806と一気に良化しました。今シーズンは更に調整を重ね、1度オープン・足の開き88.9cm、かつスタンス位置を投手から以前より26センチ遠ざかった結果、一気にブレイク。ちなみにこの数値を紹介していたのがWBCアメリカ代表監督マーク・デローサ。来年のWBCアメリカ代表に抜擢される可能性も少なくはなさそうです。
〜「P!C!A!」→「M!V!P!」に?〜
4月12日、球団が年数不明とはいえ7500万ドルで契約延長のオファーを出し、それをPCAが拒否した、との報道が出たのですが、その翌日4月13日以降から何と14本塁打含む27長打。これは大谷翔平(ドジャース)に次いでMLB全体2位に位置します。自分の価値を自分の力で一気に高め、1ヶ月半経過した現在では倍に近い総額1億4000万ドルに迫る価値があるのでは、との報道も出ています。一方でデビュー時からチームの先輩イアン・ハップに「ファンに敬意を払いなさい。勝ったあとには感謝の気持ちを伝えなさい。」と指導され健気に実行、本人も「出来るだけ心掛けているよ。こんなにファンがすぐ近くにいる球場ってそんなに多くないし、ボクがもしスタンドに座っていたら『ありがとう』って言って欲しいからね。彼らがいるから、この場所は最高なのさ」とカブスの一員としてノースサイドに溶け込んでいる様子。
MVP予想ランクでも大谷翔平、フェルナンド・タティスJr.(パドレス)に次いで3番手にランク。3月の東京ドームでもスタンドから湧きおこり、本人もいたく感動していた「P!C!A!」コールが、シーズン終盤には「M!V!P!」コールに代わっている可能性もあるかもしれません。
文・オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)
オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)
1995年結成、"LIVE CHAMP"の異名を持つロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマー兼マネージャー。
MLBコメンテーターとしても精力的に活動し、J SPORTS「MLBミュージック」メインMC、そして2023年シーズンからMLB中継の解説を担当予定。2022年4月には初の著書『ベースボール・イズ・ミュージック~音楽からはじまるメジャーリーグ入門』(左右社)を出版。MLBに関するラジオ出演や執筆活動も多数。2021年にはテレビ東京系ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』で俳優としてもデビュー。
SCOOBIE DO http://www.scoobie-do.com/
Twitter: @moby_scoobie_do
Instagram: @moby_scoobiedo
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