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野球 コラム 2023年8月18日

ハイレベルな独立リーグで無双できれば、メジャー再挑戦への道が開ける

野球好きコラム by 山田 結軌
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筒香は独立リーグで奮闘している

筒香は独立リーグで奮闘している

このレベルなら打って当然、とか独立リーグだからこれくらいできて当たり前、という意見があるが、果たしてそうだろうか。米独立リーグ、筒香嘉智内野手(31)はスタテンアイランド加入後、12試合で打率・359(39打数14安打)、7本塁打と好成績を残している(成績は8月16日終了時点)。打てる理由は、打撃の技術と体調が高い水準にあるからだ。

「もう一回しっかりフォームを見つめ直した。本当にメジャーに上がったときに打てる打ち方、打てる感覚、必要な要素をしっかり再認識しながらやっていた」

6月22日にレンジャーズ傘下3Aラウンドロックを退団後は、じっくりと課題を分析し、自身の感覚を磨く時間にあてた。ポイントはバットのグリップと体の“距離感”だった。

「グリップが、僕の感覚でいうと(スイングを始動してから)三塁側に出ていってしまう(体から離れる)。ピッチャー方向に出ていかない感覚がここ数年あった。(独立リーグ加入までの)この1カ月、やっと自分の良いときの感覚が出た。3年ぶりぐらいにやっとこの感覚(バットグリップが投手方向に向かう感覚)が出てくれた」

確かに相対的にみて、独立リーグの投手はメジャーやメジャー傘下3Aの投手たちよりも実力は劣るかもしれない。それでもチームによっては、最速100マイル(約161キロ)を投げるリリーフ投手、97マイル(156キロ)をコンスタントにマークする先発左腕など潜在能力の高い選手が所属する。

アトランティック・リーグは、数ある独立リーグの中で最もメジャーに近い、とされる。理由は、選手編成が実力主義だからだ。他の独立リーグには、27歳以下を何人かベンチ入りさせなければならない、それ以上の年齢は“オーバーエージ枠”のように選手登録枠に制限のあるリーグもある。一方でアトランティック・リーグにはそうした制限がない。だからこそ、メジャー傘下のマイナー球団への移籍を狙う選手たちが所属している。純粋な実力の評価を受けることができるからだ。

ここ最近の筒香は、栄養価の高い食事を十分に取り、体調もいい。玄米を食べ、砂糖を控えるなどで体調管理をしているという。球団から提供される食事では十分な量と栄養価がないため、ナイトゲームのときは自ら食事を持参して試合に備えている。

現在、重要なのは来季以降、メジャー昇格を果たすために今季中に傘下の3Aに移籍を実現すること。それができれば、来春のキャンプに招待選手として参加する可能性を高めることができる。残された時間は1カ月弱。望みがある限り、筒香は挑戦し続ける。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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@YamadaSANSPO

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