大谷翔平、さらなる史上初の快挙へあと数十センチ届かず

大谷翔平（エンジェルス）

二刀流スターが自身もの持つ数ある『史上初』の勲章をもう1つ追加するまで、あと数十センチだった。

現地4月27日（日本時間28日）に本拠地エンジェルスタジアムでのアスレチックス戦に「3番・投手兼指名打者」で先発出場したエンジェルスの大谷翔平は、マウンド上こそ、珍しく精彩を欠く場面があり、4回に2被弾を含む一挙5失点を喫するなど、6回93球を投げ、3安打5失点、8奪三振5四死球として防御率が1.85に『跳ね上がった』。

しかし、打席では二塁打と三塁打を含む、5打数3安打1打点と大暴れした。8回の第5打席では、本塁打を打てばMLB史上初となる、先発投手によるサイクルヒット達成という場面で、センターフェンス際へ大飛球を放つも、わずかに飛距離が足らず中飛となり、スタジアムに大きな溜め息が漏れた。なお、試合はエンジェルスが8-7で勝利し、大谷は今季4勝目をマークしている。

地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』は、同日付で電子版に掲載した試合のレポート記事の冒頭で、二刀流スターによるこの日の投打の好不調について、「ショウヘイ・オオタニは、自身の刺激的な投球の組み合わせが、彼を裏切ると決めた日でさえ、難局にあって見事な手腕を振るうことができるのである」と伝えた。

そして、8回に大飛球ながら中飛に倒れた場面については、「3ランホームランとならず、395フィート（約120.4メートル）のフライアウトになったセンターへの大飛球でキャリア2度目のサイクルヒットを逃した」と振り返った。ちなみに、エンジェルスタジアムのフィールドサイズはセンターフィールドが396フィート（120.7メートル）であり、さらなる歴史的快挙達成まで文字通り、あと数十センチだった。

記事によると、フィル・ネビン監督はこの場面について、「打球音は良くなかったけれど、確実に誰もが（サイクルヒットについて）思った」と述べており、大谷が投手として精彩を欠いたことに関しては、「彼は人間。いいかい君たち、彼だって、これからも失点することだってある」と述べたとのこと。

ちなみに、『MLB.com』が試合後に掲載した速報記事によると、1888年7月28日の試合で、シカゴ・ホワイトストッキングスのジミー・ライアンが投手としてプレーしつつ、サイクルヒットを達成した史上唯一の選手となっているが、この時ライアンは中堅手として先発出場し、リリーフで登板しているため、先発投手によるサイクルヒット達成は、今後の大谷次第ということになりそうだ。