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野球 コラム 2023年4月6日

6年分の思いを込めたマウンドを経て、千賀滉大はNYファンの前に

野球好きコラム by 山田 結軌
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笑顔でスパイクに履き替えるメッツ・千賀滉大

6年分の思いが凝縮されたような言葉だった。
「“やっと来られた感”が強すぎて、マウンド上で戦うというよりも心がどこにあるんだろう、という感じだった」

4月2日(日本時間3日)、マーリンズ戦でメジャー初先発・初勝利を挙げたメッツの千賀滉大投手(29)の試合後は、ここまでの道のりが長かった、ということが表現された。
「それが一番強かったですね。やっと(メジャーで)1球目、投げられる、ということが僕の中ですごく強くて、本当に腕しか感覚が通っていない感じだったので、ぐちゃぐちゃなフォームで投げていた」

本来の自分を見失った状態だったのかもしれない。先頭打者から中前打、暴投、タイムリー二塁打、四球、四球。記者席からみていて、どうなってしまうんだろうか…と心配にもなった。
「いつもだったらすっと冷静になれるのが、やっぱり体がヒートしているのが自分で分かった。もう何年も待ったことですし、これはもう仕方ないかな、と思いながらマウンドにいた」

立ち上がりのみやや乱調だったが、落ち着きを取り戻すと五回1死まで88球でマネジメント。結局1失点8三振と、さすがの投球で勝利に貢献した。

千賀本人、千賀をサポートするスタッフ、そして代理人らにとって念願のメジャー移籍だった。2017年、第4回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝、米国戦。ドジャースタジアムのマウンドに2番手であがり「KODAI SENGA」の名前はメジャースカウトたちに強烈なインパクトを与えた。試合後には米メディアや、米球界の関係者から「センガはメジャーにきたいのか?FAになるのはいつだ?」と聞かれたのを覚えている。それから6シーズンを過ごし、晴れて海外フリーエージェントの権利を得て、海を渡った。

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