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アリゾナの日差しにまぶしそうな表情をする鈴木誠也
金髪になった頭をみて「スーパーサイヤ人みたいですね」と話題を振った。2022年10月のことだ。強い相手に立ち向かうほど、自らも強く成長する姿をどこか重ね合わせたかった。セイヤがサイヤ人。「サイヤ」と「セイヤ」。音も似ている。
「そうです」
ニヤリと笑ったカブス、鈴木誠也外野手(28)は、メジャー2年目に向けたオフの過ごし方について、語り始めた。
「地獄です。死ぬほどやります」
心は、メラメラと燃えていた。ゆえにオフのトレーニングはハードに追い込み、スケールアップすることを宣言していた。
理由がある。
「(数年前に)日本代表の練習で(大谷)翔平のバッティングを生でみたときに度肝を抜かれた。それ以来(大谷を)超える選手がいなかったんですよね。ただ、ジャッジとスタントンだけは、超えていきましたね。(打球の)強さもそうだし、飛距離もオーラも」
鈴木誠也の野球人生で衝撃を与えたのは、同い年の二刀流選手だった。しかし昨季、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)やジャンカルロ・スタントン外野手(33)の打撃練習をみて、衝撃が走った。
「次はコイツらだ」
世界最高峰の舞台でトップのバッターたちをみて、メジャーで目指すべきレベルを理解した。この超一流のレベルと渡り合うために「地獄」で「死ぬほど」のオフを過ごし、鍛え上げてきた。
それだけにショックは大きいだろう。
左脇腹を痛めWBCの出場を辞退。鈴木の言葉から感じ取ったことがある。「体重を増やした=ケガをした」という安直な考えの否定だ。2月28日のコメントを振り返ってみる。
「体重の増量自体は、もともとの日本の体重からそんなに変わっていないんですよ。ただ去年がちょっと落ちすぎてしまっただけで。ほぼ戻した、プラスちょっと2、3キロ増えたぐらい」
昨季シーズン開幕時点で98キロ。ただし、広島カープ在籍時、何キロをベスト体重に設定していたのかは、定かではない。昨季のシーズン中には、開幕比較でマイナス5キロ、93キロまで落ちてしまった。シーズン終盤には、95キロまで戻したという。その時点を基準にするから「プラス10キロ」ということが派手に世に出てしまった。
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