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野球 コラム 2022年9月18日

大谷翔平、投打規定数でMVPを目指すだけでなく、9月は投を封印する選択肢もあったのでは?

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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チームがポストシーズンの可能性を残しているならともかく、後半戦は完全に目標を失った状態だった。果たしてその中でも、リアル二刀流出場を続ける必要があったのか。今季後半戦は特に投手としての進境が著しかったのだが、それでも個人的にはやや疑問も持っている。

1ヶ月早く投手としてのシーズンを終えることが、どれだけ故障防止に効果があるか、科学的な検証データはない。2012年、トミー・ジョン手術明けのスティーブン・ストラスバーグに関し、ナショナルズは開幕前に「投球回数が160に達したらそれ以上登板させない」と宣言し、球団はその回数に達した(正確にはその寸前の159.1回)9月上旬にそれを実行。議論を醸した。ナショナルズは地区優勝争いの最中にあったからだ(最終的に地区優勝は果たしたが、地区シリーズで敗退した)。そこまで「過保護」に育てられたストラスバーグだが、その後の球歴もガラスのエースだった。投球回数を厳格に制限する効果はあくまで相対的なのだ。

それでもここで、今季のように所属球団のポストシーズン進出の可能性がほぼ潰えた段階での二刀流封印を提唱するのは、まだ28歳と若い大谷の今後の可能性を摘まぬためだ。昨年および今季と大車輪の活躍を見せる大谷だが、本来は決して故障が少ないタイプではない。

あのベーブ・ルースでさえ二刀流は一時的なものだったが、大谷はそれをキャリアを通じて追求しようとしている(ように見える)。そのためには、今季に限らず「抜くところは抜く」ことも極めて重要なのではないか。

史上初の投打での規定数到達という金字塔を樹立し2年連続のMVPを目指すか、それとも二刀流を長く継続し続けることを重視するか、これはスポーツ医学というより、フィロソフィーの問題であるように思える。

文:豊浦彰太郎

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豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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