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野球 コラム 2022年4月12日

【横浜好き】大田泰示が移籍初安打&お立ち台、新型コロナで4試合中止。『週刊ベイスターズいいとこどり』4月5~10日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

恐れていたことが現実になってしまいました。新型コロナウイルス感染者続出により、7日の阪神戦と8日からの中日3連戦、計4試合が中止となりました。

ことの始まりは6日、試合開始直後にベイスターズ広報部から柴田竜拓が陽性判定を受けたというプレスリリースが届きました。翌7日には戸柱恭孝、牧秀悟、倉本寿彦、山下幸輝と斎藤隆コーチ、チームスタッフ1名が陽性判定で当日の試合中止が決定。さらに同日夜に濱口遥大、神里和毅、チームスタッフ2名が陽性判定というリリースも届き、8日の午後には砂田毅樹と楠本泰史、チームスタッフ2名が陽性で、中日3連戦の中止が決まりました。

クラスターの流れは止まらず、10日の午前中には山崎康晃が陽性判定、夕方には7日の発表で濃厚接触者の疑いとなっていた桑原将志とチームスタッフ1名の陽性判定が発表されています。開幕3連敗から勝率を5割に戻し、きっかけをつかみ始めた矢先のこの異常事態は、残念としか言いようがありません。

チームに暗雲が立ち込めた1週間となっていましたが、1試合でもゲームがあれば“いいとこ”を探すのがこのコラム。週明けの甲子園での2試合を振り返っていきましょう。

◆4月5日(火)阪神戦(甲子園)●0-4

先発のロメロが序盤で失点し、打線は阪神先発・西勇輝の前に今季初の完封負けと投打ともに振るわなかった試合で、1人気を吐いたのが楠本泰史。2番・ライトでスタメン出場してチーム唯一のマルチ安打を記録し、守備でも西勇輝のファウルフライと糸井嘉男のあわや本塁打の当たりをいずれもフェンスに激突しながらキャッチする好プレーを披露した。投手では2番手以降の砂田毅樹、入江大生、田中健二朗伊勢大夢が1イニングずつを無失点と好投した。

◆4月6日(水)阪神戦(甲子園)○6-1

息詰まる投手戦の末、延長12回のロングゲームを制したこの試合。完封負け寸前の9回2死、カウント3-2と追い込まれ、スタンドからは「あと1球」コールに代わるメガホンが打ち鳴らされる中、起死回生の同点タイムリーを放ったのが4番の牧秀悟だった。

牧は最後の攻撃となる12回にも先頭打者として安打を放ち、この回一挙5点の勝ち越し劇の起点となった。殊勲打を放ったのは大和だったが、ヒーローインタビューは大田泰示。途中出場の大田は、11回の打席で移籍初安打となる三塁打を放ち、12回には満塁のチャンスで走者一掃の二塁打で試合を決めた。

投手陣は先発の石田健大が6回1失点と好投し、7回からは砂田、エスコバー三嶋一輝、田中、伊勢、山崎が1イニングずつ、12回まできれいに0を並べた。三嶋と田中がホールドを記録し、伊勢は今季初勝利となった。

今季は2日に楽天が選手、コーチ計9人の陽性判定で2試合が中止になり、オリックスも5日間で計12人の陽性者が判明して12日からの3連戦の開催を見送るなど、コロナ禍はまだしばらく続くようです。

沖縄で行われる12日からの巨人戦は開催の見込みですが、主力数名のコロナ離脱に加えて、二軍で調整中だったオースティンが右肘手術で米国に帰国、というショッキングなニュースも入ってきました。今季中には復帰の見込みということですが、現在のベイスターズにとっては、弱り目に祟り目、としか言いようのない事態となってしまいました。

開幕からわずか10試合での非常事態の中、出遅れていたソトと新外国人のクリスキーの一軍昇格が決まりました。濃厚接触者の疑いで自主隔離していた大田と石田は11日のチーム練習に合流し、開幕投手の東克樹も復帰が見込まれています。

さらに内野手の伊藤裕季也田中俊太、外野手では蝦名達夫やルーキーの梶原昂希など、これまで出番のなかった選手にとっては、チャンスが訪れたと前向きに考えるべきでしょう。非常時にチームの結束力がアップする、というのは珍しいことではありません。“災い転じて福となす”とするためにも、残った選手たちには意地を見せてもらいたいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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