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現地時間1月26日に発表された今年の全米野球記者協会(BBWAA)選出の野球殿堂入り投票結果では、規定の75%以上の票を得た候補者がおらず、2013年以来の選出なしとなった。
最大の注目対象であったステロイド疑惑のバリー・ボンズとロジャー・クレメンス、差別的かつ極右的な言動で物議を醸すカート・シリングは、いずれも前年から足踏みとなった。彼らは、来年、被投票資格最終の10年目を迎える。
この3人のフィールド上の業績自体には殿堂入りに議論の余地がない。ボンズはMVP7回受賞で通算762本塁打、クレメンスはサイ・ヤング7回受賞で354勝、シリングは通算勝利こそ216だが、最多勝利2回でなによりもポストシーズンでの大活躍で球史に名を残している。
しかし、率直に言って来年もこの3人は選出されないだろう。
ボンズとクレメンスは資格を得て5年目の2017年に前年の40%台から50%に明確に票を伸ばした。実は殿堂入り投票にはある傾向があり、一度でも50%台に乗せた者は最終的には選出されるのだ(例外はある)。あくまで個人の主観投票なので、ある候補者が50%以上になるとその候補者に票を入れていなかった投票者も「入れなきゃ」という気になるのだろうか。また、資格最終年に近づくと得票率が上がるという傾向もある(それがあるべき姿かどうかは別だが)。
しかし、ボンズとクレメンスに関しては異なる。2018年以降も目に見えた票の伸びはない。むしろ、「当選ライン」の50%に乗ってしまったことで、投票者に躊躇させる効果をもたらしてしまったとも言えそうだ。今回もボンズは61.8%で前年からわずか1.1ポイントの上乗せ、クレメンスも61.6%で0.6ポイントのみのプラスと、停滞している。
これは、シリングに関しても同様だ。お騒がせキャラが災いしもともと実績の割には票の伸びが遅かったのだが、それでも昨年はついに70.0%に達した。「70%」にもジンクスがあり、過去70%以上75%未満の得票率だった候補者は、翌年は資格をまだ保持していれば選出される、というものだ(これも例外がある)。そして、今回71.1%だったシリングはその数少ない例外となった。現地関係者の見方は結構シビアで、シリングは1月6日の熱狂的トランプ支持者による議会議事堂襲撃に関しても肯定的なツイートを発しており、「もし(昨年末だった)投票の締め切りが事件発生以降だったら、票ははるかに少なかっただろう」と言われている。
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