【広島好き】カープOB訪問「元カープ・丸木唯さんの鉄板焼 まるき」

開幕日にオープンした

広島県は広島市、繁華街のど真ん中、「鉄板焼 まるき」が今年の6月19日、プロ野球開幕の日にオープンした。同年4月までは「まるよし」だったお店。尾関さんが行かれていた「さぶろく」のオーナー吉田圭さんが独立し東京へ、丸木唯さんも独立し、オーナーとして同じ場所で再出発した。

高級感のある入口も、個室とカウンターの店内も、まるよしと変わっていなかった。唯一変わったのは、メニューにお好み焼きが追加されたこと。元オーナーが高級志向だったため、鉄板焼（ステーキ）をメインにし、お好み焼きはメニュー表に載せていなかったという。自分のお店となった今、自慢のお好み焼きもメニューに入れ、丸木さんの笑顔にぴったりなアットホームな空間へと変わった。

2004年のドラフト4巡目でカープに指名された丸木さんだが、2008年には退団しカープの職員になった。経理部配属だったが、職員になってすぐの仕事はなんとモデル。記念すべきマツダスタジアムのオープン年、2009年の球場紹介のパンフレット表紙を飾ることになったのだ。

「たまたま近くにあった梵さんのユニフォームを借りて、外野のフェンスで撮影しました。やめてすぐだったから身体も絞れとったし、職員の中で1番選手っぽいから選ばれたんだと思います。今はもう大きくなってしまったけん、梵さんのユニフォームは入らないですね」と笑っていた。

そんな思い出のマツダスタジアムには、今年1試合だけ観戦に行くことができたそうだ。11月7日の試合で、その日はたまたま石原慶幸捕手の引退試合だった。久しぶりの観戦が石原さんの引退試合ですごく嬉しかったし、試合観戦も楽しかったという。引退セレモニーは泣かなかったものの非常に感動したとのこと。

丸木さんが現役の頃は2・3軍が多かったため、残念ながら石原さんとバッテリーを組んだことはない。しかし、石原さんがケガをした時は、大野練習場で一緒にトレーニングをする事もあったそうだ。

忘れられないのは「お前、ガオグライ（・ゲーンノラシン／K-1に出場したタイのキックボクサー）に似てるな」と石原さんに言われたこと。それ以来石原さんからは「ガオグライ」と呼ばれるようになったそうだ。

『領収書マルティエ事件』（尾関さんのコラム参照）に続き、日本人離れしたエピソードが尽きない丸木さん、おすすめのメニューは「コーネの塩焼き」と「牛ショブリ焼きおろしポン酢」だ。

左が「コーネの塩焼き」、右が「牛ショブリ焼きおろしポン酢」

どちらも、広島県以外ではなかなか見ることのない珍しいお肉の部位である。コーネは、牛肩バラの一部で、赤身と脂身のバランスが良い。お店の厨房で丸木さん自らこだわりの薄さにスライスしているという。

ショブリは、広島牛の脇腹の骨についた肉を削いだもので、わたしは初めて口にする。荒めの大根おろし・ネギ・ポン酢がショブリの旨みを際立たせる。骨の周りならではの濃い味と食感がかなり好みだった。

続いて、グランドメニューになったお好み焼きもおすすめだ。チーズ・大葉・キムチ、エビ・イカ・ホタテ、ショブリなど、トッピングが種類豊富で面白い。肉玉そばに、女子らしくチーズトッピングにしてみた。

バーナーでチーズを炙る

こだわりの細麺で仕上げたお好み焼きの上に、鉄板でとかしたチーズをトロ～っとかける。出来上がりかと思ったら、奥から出てきたのはガスバーナー。トロトロのチーズが炎に包まれ、かなり映える。こんがり炙られたチーズの上にソースとあおさ、ごまをかけたら出来上がりだ。香ばしいチーズと細麺と野菜の甘みとソース、豪快なのに味は上品で本当においしかった。

まだまだネタがありそうな丸木さんの面白トークと、広島ならではのお料理を楽しみたい方はぜひ足を運んでみては。

文／写真：大井智保子