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野球 コラム 2019年2月21日

大谷翔平の復帰時期はともかくー。

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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日本でエンゼルスの試合をテレビ観戦する人たちは、「プレーオフで活躍する大谷翔平が見たい」のか。それとも「大谷翔平さえ活躍してくれれば、それでいい」のか。前者を期待しておいて、駄目なら後者を選ぶというスタンスになるのではないか。

問題はその時期だ。

エンゼルスは「現役最高の選手」と見られているスーパースター、マイク・トラウトがフリーエージェント(FA)になる2020年までに、何とか優勝したい。

トラウトが必ずしもFA放出になるとは限らない。だが、年を追うごとにコスト・パフォーマンスが問題になっているアルバート・プホルスの契約が2021年まで残っており、選手の年俸総額が限定されているのが現状だ。トラウトがFAになる見込みの2020年には、大谷が最初の大幅昇給のタイミングである年俸調停権を取得するので、資金繰りはさらに厳しくなる。

毎年、何百人もフリーエージェント(FA)になるメジャーリーグだ。資金繰りが厳しければ、チームの競争力が一気に上がるような有力選手を獲得するのは難しい。

たとえば昨年の今頃、公式サイトはこう書いている。

「(2017年)エンゼルスはア・リーグのワイルドカード・レースで5ゲーム届かなかった。エンゼルスのビリー・エプラーGMは10月、オフの第一目標にオフェンスの強化を掲げ、ジャスティン・アップトンと再契約し、日本の二刀流選手である大谷翔平、イアン・キンズラーとザック・コザート両内野手も獲得し、その目標を達成したように見える」

目標を達成した結果、エンゼルスはア・リーグのワイルドカード争いで、プレーオフ圏内の2位アスレチックスに17ゲーム差を付けられた。事実上の後退である。

大谷を含め投手陣に故障者が多発してなんたらかんたらーってのは、他球団も条件は同じなので言い訳にしか聞こえない。去年後半のアスレチックスが尋常じゃない快進撃を見せたってのも、言い訳に過ぎない。

エプラーGMにフェアに書けば、昨季の今頃、同GMが目指した出塁率、長打率、そしてチーム総得点の改善は2018年、概ね達成された。

オフの補強策が概ね達成されたのに、勝てなかったわけだ。

今年のエンゼルスの補強策はもちろん、故障者多発の先発投手陣だった。そこでマット・ハービー(前レッズ)とトレバー・ケイヒル(前アスレチックス)を獲得し、頭数は揃えた。

さらに「投手・大谷」の良き相棒でシーズン途中で放出したマルティン・マルドナド捕手の後釜に、レンジャーズ時代のダルビッシュ有投手(現カブス)の相棒ジョナサン・ルクロイ捕手や、ジャスティン・ボア一塁手を加えた。

昨年の今頃と同じように、一見、的確に思える補強はしている。

だからエンゼルスは、今のままでも競争力はあると思う。少なくとも、シーズン中、期間限定的にア・リーグ西地区3連覇を狙うアストロズ、昨季ワイルドカードを獲得したアスレチックス、そして再建中ながらそれなりの戦力があるマリナーズと「いい勝負」はできるはずだ。

ところが、今もフリーエージェント(FA)市場に残る先発左腕ダラス・カイコーや、抑えのクレイグ・キンブレル両投手のように決定的で「パズルの最後の1ピース」なり得る選手が見当たらない……今のところは。

開幕までにカイコーとキンブレルを同時獲得でもすれば、状況は大きく変わるはずだが、経済的理由からきっと、そうはならないと思う。

生粋のエンゼルス・ファンならきっと、そういう状況はよく分かっているだろう。

これが今のエンゼルスであり、もう何年もそんな状況が続いているということを。自分たちが抱くチームへの期待が、レッドソックス・ファンやドジャース・ファンのそれとは違うということをー。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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