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広島東洋カープ
エースの移籍や4番打者のFA宣言など、大物選手の動向が話題になる中、静かなオフとなっているカープですが、12月も半ばになっていくつかの動きがありました。
MLB移籍の夢を掲げて海外FA権を行使した九里亜蓮のオリックス移籍が決定し、現役ドラフトでは予想外の選手が流出となり、代わりに同制度で史上初となる2人の選手を獲得したのです。
まずは今オフ、最大の出来事と言えそうな九里の移籍ですが、憧れを公言していたMLBではなく、国内のオリックスへの電撃移籍に驚きの声も上がっています。「イチから環境を変えてパ・リーグの野球に挑戦したい」という右腕は、昨年の西川龍馬に続いて2年連続で同じチームへのFA流出ということになりました。
アメリカ人の父と日本人の母を持つ九里は、父がアトランタ・ブレーブス傘下3Aの選手だったこともあり、アメリカ志向の強い選手と言われていました。2022年オフからはアリゾナ州のドライブライン・ベースボール施設で動作分析などの科学的トレーニングを行うなど、長年の夢であるMLBへの満を持しての挑戦かと思われましたが、MLB球団との交渉が思うように進まず、米球界挑戦は断念したようです。
移籍先のオリックスと言えば、自身初出場となった2023年のオールスターで同チームの主砲である杉本裕太郎との『大暴投寸劇』が思い出されます。思えば、あの時の熱い抱擁が、今回の移籍の布石となっていたのかもしれません。
12月9日に行われた現役ドラフトでは、矢崎拓也の東京ヤクルト移籍が決まりました。こちらも『まさか』と思えるような人選でしたが、当の本人も「率直に驚いたという表現が正しいと思う」と、予想外の出来事だったようです。
2016年ドラフト1位入団の矢崎拓也は、ルーキーイヤーにプロ初登板で9回1死まで無安打無失点の衝撃デビューを飾った後は、しばらく低迷しましたが、2022年からの中継ぎ転向が成功し、47試合登板で2勝0敗1セーブ17ホールド、防御率1.82と大ブレイク。
2023年には不振の栗林良吏に代わってクローザーを務めるなど、54試合登板で24セーブとブルペンの顔的存在となりました。今季は26試合登板とやや数字を落としていますが、慶應義塾大学出身の矢崎にとって、新天地となる東京ヤクルトの本拠地である神宮球場は慣れ親しんだ場所でもあり、投手事情の厳しい同チームでは救世主的存在になる可能性もありそうです。
その一方で、現役ドラフトではオリックスから山足達也内野手、北海道日本ハムから鈴木健矢投手の2選手を獲得しています。山足は今季プロ7年目の31歳。本職はセカンドですが、内野ならどこでも守れる万能タイプの選手です。
規定打席に到達したシーズンはありませんが、7年間通算283試合出場でわずか5失策、守備率.991。2021年4月にサードで失策してから、24年5月にセカンドで失策するまで、3年以上ノーエラーと堅実な守備を誇る選手です。通算打率.195という打撃さえ向上すれば、菊池涼介や矢野雅哉とは違った意味での『守備の名手』として一軍での戦力になるかもしれません。
鈴木は今季プロ5年目の27歳。通算成績は75試合登板で8勝6敗4ホールド、防御率3.37。入団2年目まではリリーフでしたが、3年目のシーズン途中から先発でも起用されるようになり、今季は24登板のうち12試合で先発して自己最多の6勝をマークしています。先発、リリーフいずれもOKで、セ・リーグでは希少なアンダースローの変則派右腕は、環境が変わって大化けする可能性もありそうです。
現役ドラフトで、1球団が2選手を指名するのは史上初の出来事で、これも新井監督の言う『変革』のひとつなのかもしれませんが、自チームから2人目が指名されなかったことは想定外でもあったようです。
九里のFAでオリックスから補償選手を獲得することが可能ですが、現時点で支配下登録数は68人で、残り2人分しか空きがなく、選手ではなく金銭を選ぶ可能性もありそうです。このまま目玉の補強がないまま、2024年が終わってしまうのか。年末の仕事納めの日までに何か動きがあるか、注目したいところです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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