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野球 コラム 2018年12月19日

来年のメジャーリーグ開幕戦@東京ドームは、イチローの元気な姿とチーム解体で分かり易くなったマリナーズが見もの

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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マリナーズは今オフ、主力選手の度重なる放出で極端に弱体化したように思えるが、その選手たちで結果が出なかったのだから、しゃーない。

エース格の左腕パクストン投手をヤンキースへ、正捕手ズニーニョと正左翼手ヘレディアらをレイズにそれぞれ放出した。

正遊撃手シグラと昨季途中にトレードで獲得したコロメらを三角トレードでフィリーズとホワイトソックスに放出し、クロフォード遊撃手、ナバレス捕手ら来季の主力候補を獲得。交換要員で獲得した一人であるサンタナ一塁手を放出し、来季の主砲候補としてエンカナシオン一塁手を獲得した。

極めつけは正二塁手で主砲のカノと抑え役のディアス投手(と2000万ドル)をメッツに放出したことだった(交換要員はブルース外野手ほか)。

すでに通算360本塁打のクルーズとの契約も満了しており、89勝73敗(勝率.549)でア・リーグ7位、同西地区3位の結果を残したチームが「プレーオフ進出狙いから再建モード」へと方向転換したのは誰の目にも明らかだ。

主砲の指名打者と正二塁手、正捕手と正遊撃手、正左翼手とエース格の先発投手の6選手が一気に抜けたわけだが、トレードが大好きなデポトGM(過去2年で最多らしい)にとっては、その真骨頂を発揮しただけに過ぎない。

だが、同GMが過去数年の間にやって来たことと大きく違うのは、「プレーオフ進出を狙える戦力を整える」のではなく、チーム内外にはっきりと「過去数年の主力選手たちではプレーオフに進出できないので、今後のためにチーム再建は絶対不可欠」と示したことである。

違う言い方をすれば、「何となくの補強でファンの目を欺くのを止めた」のだ。

それは2014年(契約が13年12月)に優勝請負人として獲得し、2023年までの長期契約(10年2億4000万ドル)=経済的負担が残るカノとの関係を断ち切った英断からも分かる。

左腕シェフィールドを筆頭とするトレードで獲得した選手たちの中には有力な「メジャーの主力候補生」も多く、中には「リードオフヒッター候補」のスミス外野手のように、未来のマリナーズにおける「ポジション」が明確な選手までいるが、そういう問題ではない。

スミスのような若手選手にとっては、今年のナ・リーグMVPであるイエリッチ外野手(ブルワーズ)やゴードン外野手(マリナーズ)がかつてそうだったように、イチローとキャンプで同じ時間を共有するだけで吸収できることは多いだろうが、それはあくまでも「チーム再構築」の副産物だ。

大事なのは「方向転換を決断するチャンスに正しい判断が出来るかどうか」だ。

たとえば前出の主砲候補であるエンカナシオンは来季終了後(2020年はオプション)、長年に渡ってエースとして君臨してきたヘルナンデス投手との契約も来季で満了となるので、前出のブルース(再来年で契約満了)を加えたベテランの3人は来夏以降、さらなるトレードで他球団に放出することが出来る。

はっきり言えば、来季の主力選手たちの多くもまた、「未来のマリナーズ」には必要のない選手たちなのだ(そこに会長付き特別補佐役のイチローが含まれるかどうかは別にして)。

そういう意味でマリナーズは今、とても分かり易いチームになった。

再来年=2020年のア・リーグ西地区制覇を目指し、新生マリナーズが「2019年のメジャーリーグ開幕戦」が行われる東京ドームで記念すべき第一歩を踏み出す―。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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