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【バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと2日】フクマツら日本のペアが多数出場の女子ダブルス、中国と韓国の牙城を崩せるか
バド×レポ by 平野 貴也バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと2日
バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」が、7月14日に東京体育館で開幕する。世界ランキング上位者に出場義務が課せられる、BWFワールドツアースーパー750の大会。過去の五輪や世界選手権のメダリスト、2028年ロサンゼルス五輪の注目株ら強豪選手が世界中から集結する。
女子ダブルスは、日本をけん引してきた種目だ。2008年北京五輪4位の末綱聡子/前田美順、2012年ロンドン五輪銀メダルの藤井瑞希/垣岩令佳、そして2016年リオデジャネイロ五輪で髙橋礼華/松友美佐紀が日本史上初の金メダル獲得と「世界で勝つ日本」の歴史を紡いで来た。以降も松本麻佑/永原和可那が2年連続で世界選手権を優勝、24年パリ五輪で志田千陽/松山奈未が銅メダルと活躍が続いており、日本のお家芸とも言える。
しかし、ジャパンオープンにおいては、福島由紀/廣田彩花が初優勝を飾った2018年からこの種目で日本勢の優勝がない。19年以降は、韓国と中国にタイトルを奪われている。今大会には、7月10日時点で8ペアの出場が確定している。1回戦での同国対決もなく、互いに勝ち上がって上位に進み、優勝ペアが出てくることが期待される。
日本のエース「フクマツ」は、抜群の安定感
福島由紀(岐阜Bluvic)/松本麻佑(ほねごり相模原)
エースの福島由紀(岐阜Bluvic)/松本麻佑(ほねごり相模原)は、日本勢で最上位の第5シード。今季は、6大会を戦って、ベスト4を逃したのは、2回のみ(ともにベスト8)と成績が安定している。直近では、7月のインドネシアオープン(スーパー1000)を優勝。決勝戦では、世界ランク1位の劉聖書/譚寧(リュー・シェンシュ/タン・ニン=中国)を破り、トップクラスの実力を保っていることを証明した。強烈なスマッシュ、ドライブを打ち込んでくる相手に対し、守備に回り過ぎず、早めにつなぎ球をスペースへ落とし、主導権を奪い返す展開で、持続的な攻撃を可能にした。
中国ペアは、この種目で頭一つ抜けた存在だ。24年パリ五輪は、同国の先輩ペアに敗れて銀メダルだったが、以降は、トップランカーとしての地位を確立。今季も圧倒的で、棄権した大会を除けば、決勝進出を逃さないという安定ぶり。世界中が、このペアをどう倒すかという目線で見ても良いくらいの女王ペアだ。福島/松本は、25年のデンマークオープン(スーパー750)でも勝っており、彼女たちを追う対抗勢力としての存在感を示している。ただ、2人はイ・ソヒ/ペク・ハナ(韓国)を苦手としており、対戦成績は、1勝6敗。韓国ペアとの対戦は、要注意だ。福島/松本は、7月10日に日本代表合宿が行われているナショナルトレーニングセンターで取材に応じ、福島は「大きい大会を日本でやることは、なかなかない。(18年に)優勝の瞬間を日本の方に見てもらえたのは、すごくうれしかったというのを覚えている。だから、またトライできたらいいなとは思っています」と自身2度目の優勝に意欲をみせた。
前述のとおり、福島は廣田と、松本は永原と組んで、世界の頂点を争ってきた。24年パリ五輪後からかつてのライバルがペアを組む形で始まった挑戦。約2年が経ち、連携面も向上。松本は「昨年とは違ってコンビネーションでできるところを見ていただきたい。レシーブから攻撃に持って行くローテーションとか、スピードを上げるタイミングの2人の息の合わせ方とかは、少しずつ合ってきているかなと思います」と自信を示した。前回大会では、まさかの1回戦負け。今回は、実力を発揮してほしい。
中西/岩永「もう一回、気合いを入れて臨む」
中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)
2番手に挙がるのは、2025年世界選手権で銅メダルを獲得した中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)だ。高さとスピードのある岩永が前衛、左利きの中西が後衛から打ち下ろすショットで相手を崩していく。今季は、タイオープン(スーパー500)で準優勝。ほかの大会でも安定してベスト8に入っているが、タイトルがない。6月のシンガポールオープン(スーパー750)で中西が負傷したが、すでに回復して練習を積むことができている。中西は「早川(賢一)監督が『(勝ちたい舞台として意識する)ジャパンオープンで勝つ人が(似たシチュエーションになる)オリンピックも勝てる』というのを、毎年のように言われているけど(自分たちは)毎年負けているので、勝てるように、もう一度気合いを入れて臨みたい」と話した。準々決勝まで進めば、4強入りをかけて福島/松本と対戦する可能性がある。五輪レースに向け、日本のエースの立場を狙うペア。欲しいタイトルを取り切る力強さと自信を得る大会にしたい。
昨季から組む保原/廣上も上位狙う
昨年末に全日本総合選手権を制した五十嵐有紗(BIPROGY)/志田千陽(東京都協会)は、いきなり第1シードの劉聖書/譚寧と対戦。厳しい組み合わせで試練を迎える。志田が松山とのペアを解消した25年夏からペアを組み、まだ1年弱。コンビネーションに課題を抱えているが、個々の能力は高い。志田が体調不良により日本代表合宿の合流が遅れている状況が気がかりだが、コートに立つことができれば、初戦から注目カードとなる(※7月10日、志田の体調不良による欠場が発表された)。
保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)
4番手のランキングでエントリーしたのも新しいペアだ。25年春に再春館製薬所からヨネックスに移籍した廣上瑠依と、混合ダブルスとの2種目で日本代表として活動する保原彩夏(ヨネックス)は、ペアを組んですぐに国際大会で実力を発揮。瞬発力のある保原が前衛、総合力の高い廣上が後衛を務める。インドネシアオープン(スーパー1000)では、4強入り。廣上は「いつも攻めだけに頼ってしまうところを、少しレシーブで我慢する展開もできた」と手ごたえを示した。ペアとしては、ジャパンオープン初挑戦となる。
ダークホースは、ベテランの廣田/櫻本
廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic)
以下、大澤佳歩/田部真唯(山陰合同銀行)、U24代表の石川心菜/平本梨々菜(岐阜Bluvic)、鈴木陽向/山北奈緒(NTT東日本)と続くのだが、要注目は、日本の8番手エントリーでありながら、ダークホースとして期待がかかるベテランの廣田/櫻本絢子(岐阜Bluvic)だ。2人で最初の国際大会だった3月の全英オープンで8強入り。5月のマレーシアマスターズ(スーパー500)では準優勝。まだ連携が完全ではないが、安定した守備力と、廣田が前で櫻本が後ろの形での攻撃は、すでに世界に通用している。櫻本は「(自分が)左と右のペア。ローテーションなどで、そこを生かす部分が増えたらいいと考えている」とさらなる進化のイメージを描いた。3年ぶりのジャパンオープン出場となる廣田は「ギリギリ、出られることになった。久しぶりだし、日本の皆さんの前でプレーできるのが楽しみ。1試合でも多く勝ち上がってプレーしたい」と意気込んだ。出場する32組のうち4分の1にあたる8組が日本勢。中国、韓国を筆頭に相手は強いが、最終日まで日本が世界と戦う姿を見せてもらいたい種目だ。
文:平野貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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