人気ランキング
コラム一覧
男子は、トナミ運輸が8年ぶりの優勝を飾った
第76回全日本実業団バドミントン選手権大会が6月17日から21日まで埼玉県で行われ、女子は岐阜Bluvicが初優勝を飾り、男子はトナミ運輸が 年以来8年ぶり12回目の優勝を果たした。
岐阜Bluvic、櫻本加入で一気に頂点
女子は、岐阜Bluvicが歴史を変えた。単体企業のバドミントン部であった「丸杉女子バドミントン部」を現在のチーム名に改称し、独立運営を行うプロチームにしたのが24年4月。改革3年目で悲願の日本一を達成した。丸杉がメインスポンサーであることに変わりはないが、地域の企業から協賛を募り、地域に根差したクラブとして活動している。今井彰宏監督は「従来は一社で会社のためにという部分だったけど、今は、サポートしてくれている多種多様な企業様がいて、従業員の方にも応援いただいている。本当に明るいお土産を持って帰れるということが、一番嬉しい」と喜んだ。
今大会は、日本代表の福島由紀がフィリピンで開催されるイベントに参加したため欠場。昨季のS/Jリーグでブロック戦5戦全勝の活躍を見せた長身アタッカーの川添麻依子も負傷で離脱中。ダブルスの主力2人を欠く陣容だったが、今春に加入した大きな戦力が生きた。ヨネックスから櫻本絢子が移籍。廣田彩花と元日本代表同士によるペアを結成した。今大会では、2人がエースペアとして大活躍。BIPROGYと対戦した決勝戦では、世界ランク7位の中西貴映/岩永鈴を2-1で撃破し、ダブルスで2本を取りたかった相手の算段を打ち砕いたことで、接戦を制することができた。2人が最優秀選手賞を受賞したのも納得だ。
J SPORTS オンデマンド番組情報
-
配信日時 : 2026年6月21日(日)午前9:55 ~
-
女子決勝 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
配信日時 : 2026年6月21日(日)午前9:55 ~
日替わりの救世主、助け合いで日本一
岐阜Bluvic初優勝に大きく貢献した廣田(右)/櫻本ペア
もちろん、勝利に貢献したのは、エースペアだけではない。大会は2複3単で3勝を争う形式。初戦の広島ガス戦では、U24代表の原菜那子/清瀬璃子が第1ダブルスの先取で勢いを与えて3-0。準々決勝では、ダブルスで2本を取り切れずにNTT東日本に大苦戦したが、最終の第3シングルスで主将の古川佳奈が勝利して3-2。準決勝では、連覇を目指した再春館製薬所を撃破。U24代表の石川心菜/平本梨々菜が第1ダブルスを制し、廣田/櫻本、古川と続いて3-0。相手はシングルスに日本代表を揃えるチーム。第2シングルス以降に回れば逆転される可能性があったが、古川が第1シングルスで仕留めた。
平本がチームの勝利を決め、初優勝に沸く岐阜Bluvic
そして、決勝戦では、ダブルスを1-1で取り合った後の第1シングルスで、古川が敗戦。背水の陣となったが、前日の準々決勝で第2シングルスを落として悔しい思いをしていた小西春七が奮闘。相手のシングルスのエースである杉山薫に2-1で競り勝って、最終種目にバトンをつないだ。ラストは、岐阜出身の平本が、2種目起用で出場。第1ゲームを奪われて追い込まれたが、ラリー間に石川や川添が笑顔で「楽しもう!」と声をかけてくるのを見ながら、少しずつペースをばん回。第2ゲームを15-13で競り勝ってファイナルゲームに持ち込んだ。これでペースをつかんだ平本は、長身を生かした得意の強打を連続でたたき込み、15-9で勝利。チームメートがコートになだれ込み、歓喜の輪ができた。平本は「岐阜に少しでも恩返しができたかなと思う。この結果に満足せず(秋に開幕する)S/Jリーグ出も優勝を目指して頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。
トナミ運輸、予定変更の「ホキコバ」起用法
男子は、トナミ運輸が8年ぶりにタイトルを取り返した。安村康介監督は「自分が(24年に)監督になってからは、優勝したことがなかった。また、S/Jリーグも就任初年にはタイトルを取れたけど、団体戦にかける思いは強い。みんなでしっかりと意識して、全員で戦うよと言っていた。全員でつかんだ勝利だと思う」と総合力によるものだと強調した。
トナミ運輸と言えば、男子ダブルスで唯一、世界トップレベルで渡り合える保木卓朗/小林優吾の「ホキコバ」ペアが大エース。安村監督は「準決勝くらいから、ホキコバで行く予定だった」と大舞台を任せるつもりでいた。しかし、実際には2人をペアで起用したのは、2回戦と4回戦のみ。勝負所は、2人を分けて起用した。背景には、2つの要素があった。1つは、ホキコバが4回戦の東海興業戦で寺島颯大/宮川友結に1-2で敗れたことだ。立場上、どうしても相手に挑まれる格好になる上、今大会は、国際大会の21点制とは異なり、15点制を採用。慣れない環境でも、負けられないプレッシャーが大きく圧し掛かる。
しかし、組み替えてしまえば、保木も小林も新鮮な緊張感の中で、相手に挑むことができる。準々決勝のジェイテクト戦は、小林が吉田翼とのペアで第1ダブルスを務めて、2-1で逆転勝利を収めた。ただ、第2ダブルスで起用したU24代表の目崎駿太郎/奥優汰が完敗。安村監督は、このペアを準決勝以降に起用しにくいと判断。準決勝と決勝は、小林/吉田、保木/目崎のペアリングに変更した。結果的に、第1ダブルス、第2ダブルスともに相手と互角に戦えるようになったことが、チームに流れを生んだ。連覇を狙う日立情報通信エンジニアリングと対戦した準決勝では、小林/吉田が日本代表の霜上雄一/野村拓海に1-2で敗れたが、第2ダブルスで保木/目崎が星を取り返した。そして、BIPROGYと対戦した決勝戦では、保木/目崎が日本代表の熊谷翔/西大輝に敗れたが、第2ダブルスで小林/吉田が勝ってシングルス勝負に持ち込んだ。
秦野、15点制を生かした瞬発力勝負で日本代表に大逆転
決勝では、秦野が第1シングルスで大きな仕事を果たした
決勝戦は、1-1で回って来た第1シングルスで秦野陸が大きな役割を果たした。日本代表の渡邉航貴に2-1で逆転勝利。渡邉の球回しに翻ろうされる場面もあったが、リードした相手が守りに入ると主導権を奪取。第3ゲームは、6-11から12点で追いつき、逆転にも成功。15-13で試合を制した。秦野は、身長180センチとサイズがある。角度をつけて上から振り下ろす強打も武器だが、腕を伸ばして打てる範囲が広く、早いタイミングのタッチで相手に猶予を与えないラリーも得意だ。ただし、早いタッチを実現するには、素早い動きが必要。スタミナに響くため、使いどころが制限される。しかし、終盤はスピードを上げ続けた。秦野は「これが21点制だったら、トップスピードで動けていないと思う。違う展開になっていたと思う」と15点制を生かした瞬発力勝負による逆転劇を振り返った。
最後は、第2シングルスの高橋洸士が2-0で森口航士朗を破り、3-1。8年ぶりのタイトル奪取を全員で喜んだ。第1ダブルスで勝った小林は「(前回の優勝は)記憶にないくらい昔の話。勝てたことが何よりうれしかった。後輩たちが(先輩についていく姿勢ではなく主体性を持って)一緒に頑張ろうとしているのを感じていて、久々に(エースの責任感だけでなく支え合う雰囲気を感じて)『チーム』として戦えて気持ちよかった」と手ごたえを語った。初の15点採用で女子は初戴冠、男子は久々の優勝劇で大会は幕を閉じた。
文:平野貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
準々決勝/準決勝-1 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
6月20日 午前9:55〜
-
準々決勝/準決勝-4 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
6月20日 午前9:55〜
-
女子決勝 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
6月21日 午前9:55〜
-
6月21日 午前9:55〜
-
準々決勝/準決勝-3 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
6月20日 午前9:55〜
-
決勝 バドミントン 日本ランキングサーキット2026【先行】
5月24日 午前9:55〜
-
準々決勝/準決勝-2 全日本実業団バドミントン選手権大会 2026【限定】
6月20日 午前9:55〜
-
準決勝-1 バドミントン 日本ランキングサーキット2026【限定】
5月23日 午前9:55〜
J SPORTSで
バドミントンを応援しよう!
