人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

バドミントン コラム 2026年7月23日

【男子レビュー】準優勝の渡邉ら4強に日本男子が3人の快挙 | バドミントン ジャパンオープン2026

バド×レポ by 平野 貴也
  • Line
表彰台で笑顔で写真撮影に応じる渡邉航貴(BIPROGY)

表彰台で笑顔で写真撮影に応じる渡邉航貴(BIPROGY)

日本が世界を相手に戦うドラマと、世界トップの選手がプライドをぶつけ合う激戦に生まれるドラマ。バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」(BWFワールドツアースーパー750)の男子種目では、日本勢が意地を見せた(※女子、混合種目は別記事で紹介)。

最終日の7月19日、男子シングルス決勝戦では、渡邉航貴BIPROGY)が、決勝戦でクリスト・ポポフ(フランス)と対戦。0-2(11-21、19-21)で敗れた。

勝ったC・ポポフは、2002年生まれの24歳。2028年ロサンゼルス五輪に向けて注目度を高めている選手だ。昨季は、年間成績上位者が集うBWFワールドツアーファイナルズで優勝。今回は、スーパー750の初タイトル獲得に成功した。

渡邉、前回のベスト4を超える決勝進出

渡邉航貴(BIPROGY)

渡邉航貴(BIPROGY)

渡邉は、前回のベスト4を超えての決勝進出。スピードと技術を駆使したラリー力で試合のペースを手繰り寄せ、準々決勝まではストレートの勝ち上がり。調子の良さがうかがえた。準々決勝では、第3シードのアナース・アントンセン(デンマーク)にも完勝した。準決勝は、田中湧士NTT東日本)に第2ゲーム17-20でマッチポイントを握られてからの逆転勝利。正念場で選択した「止まる」プレーが、相手に迷いを与えた。初速で時速400キロを超える強打を連発した田中に押されたが、ネット前の駆け引きで主導権を奪った。打球をネット前に落とし返されて下から打ち上げれば、相手が得意とする強打の餌食。渡邉は「スピンをかけても、スピン(ネット)で切り返されて(自分が)ロブを上げて(強打を)打たれるのが最悪のパターン。1ゲームも2ゲームの後半もずっとそうなっていた。最後は開き直って、ネットに打った後を止まって、切り替えして来たのをプッシュとやったら、プレッシャーを感じてくれた」とネット前からすぐには下がらず、立ち止まって相手に攻撃の起点を与えず、迷わせることに成功。23-21と逆転し、第3ゲームで勝利した。

決勝戦は、第1ゲームは空調の影響にアジャストできず、10-11から11-21と突き放された。第2ゲームは丁寧なラリーで一進一退の攻防となったが、相手を崩し切れずに19-21。タイトルには手が届かなかった。ただ、自身の可能性を示す大会になったことは間違いなく「良い経験にはなった。こんなに応援してもらえるのは、ジャパンオープンしかない。ファンのみんなの前でプレーできたのは、すごくうれしかった。昨年より一つ上の2位にはなれたので、来年、優勝を目指して頑張ろうかなと思う」と再挑戦を誓った。

「桃田がいなくなって」の声に

男子種目においては、シングルスで渡邉を含む3人がベスト4に勝ち残る躍進。スーパー750においてもジャパンオープンにおいても初。元世界王者の桃田が24年4月に日本代表を引退後、スーパー750、スーパー1000を優勝した選手はいないが、複数の選手の切磋琢磨であと一歩に近づいていることを証明する戦いぶり。渡邉は「(日本の)男子シングルス、やばいんじゃないか、桃田(賢斗)選手がいなくなって、みたいな話もある。でも、みんな、意識高く(担当コーチの佐々木)翔さんも含めて、男子シングルス全員でいろいろと取り組んでいるところ。それが少しずつ結果に結びついてきていると思う。気持ちを切らさず、全員でもう1回ギアを上げて、来週も頑張りたい」と話した。

世界ランク2位撃破の田中「絶対に勝てない、という相手はいない」

準決勝で敗れた田中湧士(NTT東日本)

準決勝で敗れた田中湧士(NTT東日本)

中でも、渡邉に準決勝で敗れた田中は、躍進が目覚ましい。スーパー750以上に挑戦できるようになったのは、2年前のジャパンオープンから。1、2回戦負けが続いていたが、少しずつ内容が伴ってきた。相手の返球を思い通りに引き出すラリーを意識し始めた24年以降、ハイレベルな相手の返球も予測ができるようになり、食らいつけるようになった。今季、インドネシアオープンで8強入り。変化の兆しを見せていたが、1回戦で第8シードの李詩灃(リ・シーフェン=中国)を破っただけでなく、準々決勝では、24年パリ五輪の銀メダリストで25年世界選手権覇者、世界ランク2位のクンラブット・ヴィティドサルン(タイ)に逆転勝ちのサプライズ。序盤は何度も逆を突かれたが、次第に慣れて最後はフィジカル勝負でねじ伏せた。試合後は「絶対に勝てない、という相手はいないと思えるようになってきた」と自信をみなぎらせた。準決勝も勝利目前。今後に期待を持てる大会となった。

奈良岡も今季初の4強入り

4強入りした奈良岡功大(NTT東日本)

4強入りした奈良岡功大(NTT東日本)

男子シングルスでは、もう1人、奈良岡功大NTT東日本)も4強入り。初戦で全英オープン王者の林俊易(リン・チュンイ=台湾)を破ると、2回戦でパニッチャフォン・ティーララッサクル(タイ)、準々決勝でアルウィ・ファルハン(インドネシア)と、今季台頭が著しい21歳世代の挑戦を連続して退けた。ただ、ファルハンとの試合で第2ゲームを落としたのが誤算。準決勝のクリスト・ポポフ戦では、体力切れから選択肢が狭まり、主導権を握れなかった。大会を終えて「今季初めてベスト4に入れたので良かったなと思う部分と、負けて悔しい部分がある。(続けて好成績を挙げる手ごたえは?)きっかけにはなったかなと思うので、自信につなげてやっていきたい」と成績向上の起点とする構えを示した。

男子ダブルス、エースの保木/小林が意地を示すベスト4

日本のエース保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)

日本のエース保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)

男子ダブルスは、前回のジャパンオープンからペアを組み替えて活動を始め、世界ランク2位まで上がって来たファジャル・アルフィアン/ムハンマド・ショヒブル・フィクリ(インドネシア)が、初優勝。決勝では、圧倒的優勝候補のキム・ウンホ/ソ・スンジェ(韓国)に2-0。サービス周りから早いタイミングで低空戦を仕掛け、守備力が高い相手と長いラリーをせずに得点を奪う戦術が特徴的だった。

彼らに準決勝で惜敗したのが、日本のエース保木卓朗小林優吾トナミ運輸)。2回戦は小林が不調で苦しんだが、準々決勝では、後衛の小林が思い切って前に出て攻撃を仕掛けるなど大胆さを見せて第4シードの梁偉鏗/王昶(リャン・ウェイケン/ワン・チャン)を撃破した。準決勝は、優勝ペアとサービス周りで互角の展開。第3ゲーム18本で敗れたが、トップレベルのペアとそん色ない戦いができることを、日本のファンの前で証明した。21年世界選手権覇者の「ホキコバ」ペアも、ともに30歳でベテランの域となったが、保木は「これから約2カ月、大きな大会が続く(8月に世界選手権、10月にアジア大会)。アジア大会は日本開催。もっと良い結果を残せるように、今日見つけた課題をしっかりやりたい。来年には五輪レースもある。そこまでに、世界ランクも4位以内とか目指してやらないといけない。満足することなく頑張りたい」と今後の大舞台でさらに輝く意欲を示した。男子は、日本勢が単・複ともに世界と渡り合える力を証明する大会となった。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
バドミントンを応援しよう!

バドミントンの放送・配信ページへ