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バドミントン コラム 2026年7月9日

【バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと5日】日本の課題種目「混合ダブルス」、3+1組は世界との距離を縮められるか

バド×レポ by 平野 貴也
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バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと5日

バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと5日

バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」が、7月14日に東京体育館で開幕する。世界ランキング上位者に出場義務が課せられる、BWFワールドツアースーパー750の大会。過去の五輪や世界選手権のメダリスト、2028年ロサンゼルス五輪の注目株ら強豪選手が世界中から集結する。

組み替えが多い日本勢は、4組が出場予定

混合ダブルスには、日本勢が4組出場予定だ。2025年の全日本総合選手権を制した渡辺勇大/田口真彩(ACT SAIKYO)が、ペアとしては初出場。同選手権で初めてペアを組んでベスト4に入った古賀輝(ジェイテクト)/齋藤夏(PLENTY GLOBAL LINX)、6月に行なわれた同格のシンガポールオープンで準優勝と躍進した霜上雄一日立情報通信エンジニアリング)/保原彩夏ヨネックス)もエントリー。全日本総合で準優勝だった緑川大輝NTT東日本)は、パートナーの松山奈未再春館製薬所)が1月に負傷して戦線離脱中のため、2016年リオデジャネイロ五輪女子ダブルスの金メダリストである松友美佐紀(東京都協会)とのペアでエントリーした。実力者同士の初ペアリングでどのようなプレーを見せるか、楽しみだ。

混合ダブルスと言えば、渡辺と五十嵐有紗(旧姓:東野)の「ワタガシ」ペアが、東京、パリの五輪2大会で連続して銅メダルを獲得した種目。しかし、24年のダイハツジャパンオープンを最後に2人はペアを解消(五十嵐は女子ダブルスに転向)。渡辺は、当時高校を卒業したばかりの田口を次のパートナーに選び、新ペアで活動を始めた。以降、日本勢は、ロス五輪に向けたペアの組み替えが続き、新たな様相を呈している。世界ランクを最高7位まで上げた緑川/齋藤も昨年末でペアを解消。緑川は、女子ダブルスでパリ五輪の銅メダルを獲得した松山と新ペアを結成。齊藤は、古賀にパートナーを変更した。

成績向上の霜上/保原、上位候補への成長なるか

霜上雄一(日立情報通信エンジニアリング)/保原彩夏(ヨネックス)

霜上雄一(日立情報通信エンジニアリング)/保原彩夏(ヨネックス)

現状で最も成績を挙げているのは、2023年からペアを組んでいる霜上/保原だ。前回のダイハツジャパンオープンでシードのフランスペアを破ったように、これまで何度も格上を撃破してきた。ただ、その後が続かずに上位進出には至らなかった。しかし、6月のシンガポールオープンでは、ついに決勝へ進出。上位大会で好成績を残すことに成功した。低いレシーブやつなぎ球を用いて低空戦に持ち込めば、2人のスピードが生きる。スペースへ逃がそうとする球に素早く反応して攻撃する。霜上は、シンガポールオープンから帰国した際に「今回は、保原がめちゃくちゃ強かった。レシーブも良かったし、特に前衛のプレーがこれまでより良かった。保原のおかげで、自分も後ろに集中してプレーができていた。全体としては、低空戦でそんなに簡単に(高い球を)上げることがなくなったし、しっかり上げたとしても(保原が)レシーブをできていたので、そこが良かった」と話した。それぞれ男子ダブルス、女子ダブルスでも出場するため、準備段階も、大会期間中も合わせられる時間が少ないのは懸念点だが、好成績で自信を得られた部分は、プラス材料。上位を狙う意識も高まっており、今大会での活躍も期待される。ダークホースから上位候補へ成長できるか注目だ。

渡辺が負傷、回復は間に合うか

渡辺勇大/田口真彩(ACT SAIKYO)

渡辺勇大/田口真彩(ACT SAIKYO)

左利き同士で組む渡辺/田口は、昨季終盤から成績を出し始めている。田口が左ひざの手術から復帰すると、25年末の全日本総合選手権で優勝。26年に入ってからは、オルレアンマスターズ(スーパー300)で8強入り。続けて、ワールドツアー最上位のスーパー1000に相当する世界ランキングポイントが設定されているアジア選手権で4強進出。5月のシンガポールオープンでは、2回戦で敗れたが、1回戦で当時世界ランク7位の郭新娃/陳芳卉(カク・シンワ/チェン・ファンフイ) を撃破。上位勢と渡り合える力をつけてきている。特に、20歳の田口は、課題だったレシーブ力が高まっており、成長が明らかだ。渡辺は、五十嵐とのペアで優勝経験があるが、田口はダイハツジャパンオープン初出場となる。田口は「昨年、決勝戦だけは会場で見て、自分もこの舞台に立ちたいと思った。結果は求めていきたいし、日本の方の前でプレーできるので、何かを感じさせられる、何かを与えられるプレーがしたい」と意気込みを語った。ただ、渡辺が負傷し、6月に出場を予定していたインドネシアオープン(スーパー1000)と豪州オープン(スーパー500)は、欠場。今大会は、復帰の舞台となる。渡辺の回復が間に合うかどうかは、気がかりだ。

古賀/齋藤、攻撃パターンの使い分けに手応え

古賀輝(ジェイテクト)/齋藤夏(PLENTY GLOBAL LINX)

古賀輝(ジェイテクト)/齋藤夏(PLENTY GLOBAL LINX)

好調なのは、古賀/齋藤だ。7月5日に決勝戦を行ったカナダオープン(スーパー300)を優勝して、今大会に臨む。古賀は、得意のフェイントショットが魅力。齋藤は、前衛勝負の積極性が増している。北米遠征では、連携面で手ごたえを得た。USオープン(スーパー300)では、5月から組み替えた劉廣珩/許尹鏸(リウ・クァンヘン/シュー・インフイ=台湾)に2回戦で敗れたが、翌週のカナダオープン決勝で雪辱。古賀は「ドライブとかノーロブになったときに(齋藤)夏に先に前に落としてもらって、攻撃の形を作ることが、前週の対戦よりもできた」と振り返った。齋藤も「カナダでは、準決勝、決勝と競り勝てたので、すごく自信になりました。自分たちがノーロブで戦うか、落として攻めるかの使い分けが、ハッキリできるようになったのではないか」と戦術の使い分けに手ごたえを得ていた。まだ、このペアではスーパー750は未勝利。1回戦を突破して勢いに乗りたい。

緑川は、五輪女王の松友から学ぶ姿勢

松山が負傷離脱中に松友とペアを組む緑川

松山が負傷離脱中に松友とペアを組む緑川

緑川/松友は、期間限定ペア。緑川は、本来のパートナーである松山が負傷離脱している間も世界レベルでの競争力維持を目的に国際大会出場を希望。女子ダブルスで五輪金メダルの実績がある松友と組むことに「試合の戦い方、流れを持って来る方法とか、そういうのは、本当に見習わなければいけないところが多いのかなと思う。いろいろな視点で学べたらいい」と話した。今大会と翌週の中国オープン(スーパー1000)で学びを得る構えだ。

本来のペアである緑川/松山とほかの3組は、2028年ロサンゼルス五輪を目標としているペア。しかし、現状では、世界ランクで見ると、霜上/保原の14位が最高。日本が目指す2組の五輪出場には、混合ダブルスが最も遠い状況で課題種目と言える。3組、そして緑川が世界との距離を縮める、あるいは、縮めるための手ごたえを得られるか。ロス五輪を見据えた上では、自国開催のジャパンオープンで最も期待されるポイントとなる。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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