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我等のエース小林陵侑がヒルサイズをゆうに超えてバッケンレコードを記録、意気揚々とプラニツァ世界選手権へ挑んでいった。こういうのも先人の選手たちの想いを充分に受け継いでの大きなジャンプであろう。
その長閑な頃と異なり、今のW杯シーンではスーツが勝利の大きな鍵を握っているといっても過言ではないだろう。股下はとめどもなく下がり、ここに色々と抜け道がありそうで。ならばやってしまおうとの海外有力選手らが目に見えて増えてきていた。ならば、勝つためにはどうするか表彰台に上がるために日本はどの手を打つべきなのか。
ゆとりが2~4cmルールでは股下の他に、肩先のとんがり、わきの下が逆三角形に伸びて、ふくらみあるウエスト部分などなど。分かりやすく言えば首後ろあたりから空気を取り込み各部分へためて膨らます。そういう高度な縫製技術などにおいてあらゆる箇所が目についてくる。そこで公平論を唱えても通用し得ないのが世界のジャンプ最前線である。
そのような欧州でのルールに対応するためには交渉力が必要であり、コーチたちに交渉の資質をつけるのが要になってくる。この意味において、現状の日本チームは若手コーチに経験を積ませていく段階にある。
世界選手権ではスーツの形状はもとより、ついには通気量まで、取りざたされてしまった。 ややうがった見方をすれば、有望選手をとことん失格にしたいのだろうかとファンのみならず熱くなりがちになる。
「これはもう、どうしようもなくて」と小林陵侑は述懐する。そこでギリギリを狙うとうよりは、常に攻め込みながら良い風を受けてその結果どうであるかだ。いつも鷹揚に構えて進んでいきたい。そこに真の実力が宿ってくる。
岩手八幡平国体に出場した葛西紀明
また海外選手に睨みが効き、さらにチームに活を入れられる葛西紀明(土屋ホーム)がいるとまた現場の意気上がるのだが。今回、彼は岩手八幡平国体で田山矢神シャンツェを飛んで、観衆の皆さんの声援に応えながら「これからも頑張ってジャンプを続けようね」と地元女子選手にサインと激励、ジャンプ競技の普及に寄与していた。もちろん心の中では小林陵侑の健闘を祈りながら。帰ってきたら鹿角の幸楽の美味な味噌ホルモンをたんとご馳走するから頑張りなさいなどと。
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