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あとは五輪金メダリスト岡部孝信監督(雪印メグミルク)の神がかりな手腕である。かつて長野五輪後にスキーを4cm切られて思い切りふてくされ、自暴自棄となり途方に暮れた。その後、そこから這い上がり、見事にフィンランドのクオピオW杯で優勝を遂げ『ざまあみろ!』と現地で雄叫びをあげた。
その岡部監督にすべてを任せていくと活路は見えてくる。いまは、そのいくらかの猶予時間である。
昨シーズン王者の小林陵侑(土屋ホーム)は、このままの順位で終わるわけはないと当然のように欧州中から見られている。彼自身そこに焦りはひとつもない。
望むのは地元札幌W杯3連戦でコンスタントに表彰台に立ち、ファンに笑顔を見せること。そして2月のプラニツァ世界選手権で、緊張することなくリラックスして伸びやかに飛び抜けるといい。そうすると結果はおのずとついてくる。あのゼーフェルド世界選手権、名門インスブルックLHにおける緊張と堅さにつぶれかけたことは、もう過去のこと。今季のターゲットはこのふたつである。
この秋に南ドイツのバイエルン地方、ミュンヘン近郊へ居を構えた中村直幹(フライングラボラトリー)は、いつもにこやかに過ごし、得意の語学で海外有力選手との交流も盛んに、新しい形の選手活動にあたる。欧州各地の空気感に慣れ、移動もお手のもののジャンプ週間で、いよいよ本領発揮といきそうだ。
■群雄割拠のランキング情勢とジャンプ週間の展望
現在、W杯ランキングは混とんとしている。
地元の開幕戦に勝利したクバツキ(ポーランド)が、夏の好調さを維持してイエロービブを保持するが、クラフト(オーストリア)、グランネルー(ノルウェー)さらに気鋭のラニセク(スロベニア)などが僅差で追っている。
昨シーズンのジャンプ週間を制した小林陵侑
年末年始にドイツとオーストリアで開催されるフォーヒルズトーナメント、「ジャンプ週間」はJSPORTSで完全中継される。予選の結果をチェックしてノックアウトシステムで25組の対戦を予想、ラッキルーザーの5人を加えた2本目30人。そのトップ選手達の優れたジャンプを堪能したい。
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