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海外勢では、他の選手を一歩リードしているのがオーストリアの明るい好青年クラフト、それを見守りつつ安定のフライトをみせる同僚のハインバックが心地よいバックアップをみせている。そこに“マリシュ”ポーランドではW杯中盤戦まで個人総合首位を守っていたストッフに世界選手権のラージヒル銅メダル獲得で自信を深めたジラと平昌W杯で表彰台に立ったコットが続いてくる。
また強豪のドイツではヴェリンガーとアイゼンビヒラーの2トップが上位に定着しながら来季のフロイントの復帰を待つ。
ここにきても低迷のままのスロベニア、さらにじっくりと飛び続ける日本。ともにチームとしては前年にみられた爆発力に欠けた印象。それもマテリアルによるものが起因とみられ、いましばらく我慢のしどころ。
ラハティ世界選手権では懐かしい顔ぶれに出会った。
元フィンランドヘッドコーチの名将ハンヌ・レピストやいまや五輪チームの重鎮ミカ・コヨンコスキ、若手指導者のヤニ・クリンガ、あるいはクロカンスキーの英雄ハリ・キルビスニエミ(YOKO)と、オリンピック金メダリストでトニ・ニエミネンやノルディック複合のヤリ・マンティラなどだった。それこそ往年の名選手が健やかな表情でそこに立っていた。
また、試合前に、リフト乗り場近くのステップに腰を下ろしていたら、スイスチームのデサントウエアを着たアンドレアス・クッテルから『元気かい』と声をかけられた。久々に会う彼はいくらかぽっちゃりとしていて微笑ましく思えた。今回はユーロスポーツのジャンプ解説者としてきていた。
そのスイスは2026年のシオン冬季五輪の招致活動も始まったという、いよいよ2006年にトリノに敗れた悔しさを一気に晴らしたいところ。ここは札幌と競うことになりそうだ。そのシオンはDHコースのフィニッシュエリアからやや西方向へと昇りそこにLHとNHスタジアムが建設される、かつてそんな完成された見事な計画図を見たことがある。それはもう観客にとってじつに観やすく楽しいロケーションにあった。
さて、ビケルスンでのロングフライトをうららかに眺め、いよいよスロベニア・プラニツァのフライングが今季ラストシリーズ、好きな選手たちにとことん夢を乗せていきたい。
岩瀬 孝文
ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。
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