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スキー コラム 2015年1月8日

フライング連勝なるか葛西紀明

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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前年のバドミッテンドルフW杯、ここでリアル・レジェンド葛西紀明選手が優勝した。
そこでは栄誉をたたえて欧州有力チームの若い選手が何人も祝福にフィニッシュエリアにやってきた。それは、とても絵になる光景だった。

ここは欧州におけるフライングジャンプの聖地のひとつ、オーストリアのビショフスホーフェンから東へ進む。1999世界選手権NHで、船木和喜(デサント→FIT)宮平秀治(ミズノ→現JPNコーチ)、原田雅彦(雪印乳業→雪印メグミルク監督)で表彰台を独占したラムザウの下に広がるアルペンの名門シュラドミングを通り、アルペン女子高速系で名高い街ハウスを抜けて、鋭角に左ターンでクルムに入る。そこの平場から小高い丘にすっくと聳えるバドミッテンドルフのフライング台。

地元大観衆が取り囲む、それこそオーストリア優位のシャンツェではあるが、そこには、日本ひいきの欧州ファンもたくさんいて葛西の勝利を喜んでくれた。ここで連覇なるか、去年に続いて120mあたりの良き風を呼び込みたいところ。
しかし、狙うのはフライングの連勝ではあるが、混戦模様の今季、そう簡単にはいかない。
優位なのは、いまの葛西選手は飛べばとことん伸びる優れたテクニックとマテリアルを手に入れていること。
迎え撃つのは、もちろん地元オーストリアの台とあって、このところじわじわと飛距離が出てきたシュリーレンツァウアー。昨年中に新しく改修されたシャンツェを入念にトレーニングジャンプしていた。
そして長距離ジャンパーのプレフツ(スロベニア)、ロングジャンパーのファンネメルやベルタおよびバーダルあるいはスーツの手直しがあったがヤコブセンのノルウェーあたりに注目であろうか。

クリスマス休暇の後、恒例の4ヒルズ(愛称:ジャンプ週間)で、総合優勝に輝いたのはシュテファン・クラフト(オーストリア)。なんと21歳のプリティフェイスの彼は、いまだ健闘する葛西選手の半分の年齢にあたるから驚きそのもの。
降雪のため1日延期となった初戦オーベルスドルフでその新鋭のクラフト(オーストリア)、好天の2戦目ガルミッシュ・パルテンキルヘンでは伏兵のヤコブセン(ノルウェー)、3戦目インスブルックはフライターク(ドイツ)、追い風の4戦目ビショフスホーフェンでハイベック(オーストリア)とめまぐるしく変わる勝者。そのなかで個人総合優勝のクラフトは、コンスタントに上位入り、合計で1106.7ポイントを獲得して、ゴールド色のイーグルトロフィーと副賞のアウディを獲得していった。この先には、勝利の勢いに乗るジャンプも楽しみになってくるクラフトだ。
転倒もなんのその勇者アマン(スイス)は、さすがだった。葛西紀明とインスブルックで第3位表彰台に並んで立った。それも同着になるや、すぐに葛西に抱きついて健闘をたたえ合った。夏の白馬サマーグランプリと冬の札幌W杯には必ず出場する親日のアマンだ。心配なのはビショフスホーフェンでの2本目、着地転倒して気を失っての顔面制動、治療などを経ての試合復帰がいつ頃になるかは微妙な段階。

W杯の中盤にかけて好調を維持しているのは若手でクラフト、ハイベック(オーストリア)、プレフツあたりか。
一発屋の印象が強いノルウェーは新鋭の台頭もさることながらチームの復調と安定は、なされるのだろうか。そしてフライタークを除くフロイントなどのドイツチームが不調気味なのが気になるところ。

日本チームでは4ヒルズ最終戦ビショフスホーフェンで2位表彰台を飾った葛西紀明(土屋ホーム)、伊東大貴(雪印メグミルク)、家族そろっての応援がうれしさを増した竹内択(北野建設)、上位を狙う小林潤志郎(雪印メグミルク)に作山憲斗(北野建設)、予選から1本に集中して飛んでいる清水礼留飛(雪印メグミルク)が各々の個性を重んじながら努力を重ねている。チームとしては後半戦に向けてなんとかその出場6枠をキープしていきたい。

この後、チームは久々のザコパネW杯出場を経て、いよいよ札幌W杯へ凱旋となる。

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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