人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

スキー コラム 2014年11月10日

さあ出陣、日本チーム! = W杯スキージャンプ シーズンプレビュー

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
  • Line

五輪団体銅メダル獲得で日本チームの強さに沸いた先シーズン。
この10月後半には5人のW杯代表が発表された。

日本銅メダルメンバーの葛西紀明(土屋ホーム)、伊東大貴(雪印メグミルク)、竹内択(北野建設)、清水礼留飛(雪印メグミルク)、そこに新たにW杯団体戦3位の経験を持つ小林潤志郎(雪印メグミルク)が加わった。
エースでベテラン42歳の葛西は五輪ラージヒルで惜しい銀メダル。その意味でも今季はタイトルをものにしなければという意識が強い。ただ、メダル獲得後の講演会やたくさんの取材や記念行事などで、いささか練習不足の感もみられる。ただそこは、これまで故障気味にあった膝と腰などのボディを、じっくりと治療にあたる時期とのポジティブな気持ちに包まれていた。
また10月には葛西が札幌市内で、続く11月には竹内は軽井沢でそれぞれ結婚式があり、ともに充実の冬を迎えていた。

「減量には家族のささえがあって、それは助かりますね」

と、にこやかに語る葛西選手だった。

今シーズン、海外の注目のチームはドイツ(フロイント・ヴェリンガー・フライタクなど)でクラウスやガイガーなど若手数人の伸びも著しい。ノルウェー(バーダル・ファンネメル・ベルタなど)は相変わらずの飛ばし屋たちが地元の巨大フライング台ヴィケルスンでの勝利をめざす。W杯個人総合優勝の経験があるモルゲンシュテルンが引退したが強豪には変わりないオーストリア(シュリレンツァウアー・ディーハルト・クラフト・コフラーなど)は新ヘッドコーチのクッティンが指揮をとる。
ここにまとまりがよくなってきたポーランド(ストッフ・コット・ジラなど)に、選手強化が実ってきたスロベニア(プレフツ・ダミアン・テペシュなど)が上位進出を狙う。そこにアホネンやコイブランタのフィンランドはクリンガ新ヘッドの新体制で復活を。
さらに元フィンランドヘッドのニエメラとサルパランタコーチがそのまま移籍した新星トルコチームに注目が集まる。

なんといっても来年2月のファルン世界選手権でのタイトル奪取が、各チームの大きな目標となる今季だ。とくに日本チームはディフェンディングチャンピオンの混合団体(女子2+男子2)での連覇を願う。ところがスウェーデンのファルンはもともと風が荒れる台、それにうまく乗れるかどうかに命運が左右される。

「若手選手が頑張ると刺激になり、自分も火がつく(笑)。メダルを取った後の取材や講演会などではっきりいって練習不足だが、減量と調整をうまくやっていきたい。2月の世界選手権の混合団体はメンバーに選ばれたいですね」

11月7日に行なわれた日本チーム記者会見で、笑顔ながらも気迫がこもっていた葛西。
また所属の土屋ホームの欧州合宿(11月13日から)には有望高校生ジャンパー小林陵侑(盛岡中央高:小林潤志郎の弟)を帯同、綿密な選手強化がはかられる。

女子では前年のW杯個人総合で高梨1位と伊藤3位というパワフルなジャパン。
高梨沙羅(クラレ:日体大)がジャンプ改造中にありながら、その柔らかさで国内夏場すべての試合を連勝で終わらせた。さらには葛西監督兼選手の指導を受ける伊藤有希(土屋ホーム)のW杯初優勝もいよいよ実現可能な状況になってきた。

マテリアルでは今季、気になるのがジャンプスーツのルール変更について。これはいつもながらにシーズン直前の変更となりそう。その動きを熟知している日本はいまのところやや引いた構えにある。
ドイツのマイニンガーにオーストリア、フィンランドなどにおいて、それぞれ細部に工夫がみられることになりそう。もちろん日本のミズノも負けてはいない。あの五輪でメダルを取り得た上半身におけるカッティングは実に絶妙であった。
スキーでは、青い旋風フリューゲの仕上がりの良さが噂され、また赤のSPORT2000も各国の有力選手の獲得に精力的に動いていた。

さあジャンプ開幕は11月22日、23日のクリンゲンタール(ドイツ)、そして北欧へ。それぞれの好勝負を期待しよう。

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
スキーを応援しよう!

スキーの放送・配信ページへ