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高みを目指す宇野昌磨が大会2連覇の偉業に挑む | ISU世界フィギュアスケート選手権2023 男子シングル プレビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部かつて浅田真央が3度、安藤美姫が2度、羽生結弦が2度と、世界選手権優勝を複数回成し遂げてきたが、いまだ2連覇を果たした日本選手は存在しない。それほどまでに難しい試練に、宇野昌磨は母国日本で挑む。
金メダル大本命として参加するはずだった7年前の世界ジュニアの直前に、右足首骨折して以来、苦しいシーズンをいくつも乗り越えてきた山本草太は、ようやくシニア世界選手権の大舞台までたどり着いた。
まるで失われた時間を取り戻すように、今季は前半戦から好成績を連発。フランス杯で生まれて初めてGP大会表彰台乗りを果たし、続くNHK杯でも同じ成功を繰り返した。初めてGPFにも進出を果たし、金メダルの宇野の横で、銀メダルも手に入れた。初めての世界選ながら、当然メダル候補の一角として名を挙げられる。
ついに「正代表」の座を射止めた友野一希も、自己最高5位を上回る成績が期待できる。「代打の神様」として参戦した昨世界選ではSP3位に食い込み、大舞台にふさわしい実力を証明すると共に、日本男子スモールメダル独占の快挙を演出した。なにより最高のエンターテイナーとして知られる友野は、今季もプログラム締めのステップシークエンスで……観客をたっぷり魅了してくれるはず!
宇野の最大のライバルであり、今大会最大級の目玉は、やはりアメリカ代表のマリニンだろう。4回転アクセルの衝撃を、さいたまスーパーアリーナは待っている。
9月中旬のUSクラシックのFSで、史上初めて公式で完璧な4Aを成功させたマリニンは、この基礎点12.5点超大技を今シーズン計6回飛んできた。クリーンな着氷は3回。GPアメリカ杯では、冒頭のこの1本だけで16.61点もの高得点叩きだした。一方で4分の1回転不足が3回で、うち転倒も1回あった。全米選手権ではわずか6.25点(さらに転倒の減点1)に留まり、リスクの大きさも物語る。
「クワッド・ゴッド」の武器は、決して4回転アクセルだけではない。FSにはやはり4回転4種5本を組み入れる。しかもジャンプの基礎点が1.1倍となるプログラム後半に、4+1+3のコンビネーションジャンプをねじ込んでくる。体力を恐ろしく消耗する構成であることは間違いない。世界で唯一4回転全6種を飛びこなす18歳だけに、今季何度か種類を入れ替え、ベストチョイスを模索してきた。今大会では間違いなく、マリニンにとって現時点最高の組み合わせが披露される。
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