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#1 ルール改正の経緯と意味 | 町田樹のスポーツアカデミア 【Forum:フィギュアスケートが求める理想のルール】
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部フィギュアスケートのルール改正をめぐる変遷
これほど多くの審議事項があるのかと驚きましたが、こうしたルール改正が重ねられて、今の競技のあり方になっているわけです。歴史を振り返ってみても、たくさんのルール改正がなされてききました。
大きなものとしては1973年から1974年。初めてショートプログラムが導入されたのです。その後、1990年にコンパルソリーフィギュアが廃止。2002〜2003シーズンにISUのジャッジングシステムが試験運用され、翌シーズンから、新しいISUジャッジングシステムが正式に運用開始になりました。これは非常に大きな出来事だったわけです。そこからちょうど、今年は2022年。ISUの新ジャッジングシステムが試験運用されてから逆算すると約20年間、経過しています。この20年の間にはマイナーチェンジを繰り返していて、今回の大きなルール改正につながっているわけです。
ルールが演技のあり方を規定する
ルールと競技のあり方は密接にリンクしています。スポーツとルールの関係については、長年、たくさんの研究者が考察をしてきています。その中の代表格であるバーナード・スーツというゲーム理論の哲学者は「ゲームをするということは、ルールによって許容された手段だけを用いて、ある特定の状態になることを達成する試みである」ということを言いました。つまり「ルールがパフォーマンスを規定している。ルール次第でスポーツのあり方も多様に変わっていくんだ」ということを言っています。
フィギュアスケートが求める理想のルール
例えば、フィギアスケートの場合は演技時間が変更されたり、演技の形態が変わったりしています。ショートプログラムが導入され、コンパルソリーフィギュアが廃止されたというのが、その例です。さらに、技術点と芸術点の比重が変わることでパフォーマンスの内容も変わったりしているわけです。こうしたルール改正が選手のパフォーマンスに影響を及ぼします。そのような大事なルールですが、普段、私たちはあまり深く考えてこなかったのではないか。ルールというのは競技連盟によって制定されるわけです
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