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三浦璃来&木原龍一組が日本ペア史上最高位の世界選手権2位「これはまた新しい4年のスタート」 | ISU世界フィギュアスケート選手権2022 ペア レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部笑顔の三浦璃来&木原龍一組
たくさんの想いが昇華し、それぞれの覚悟と犠牲は報われた。思いがけず優勝候補へと押し上げられたアレクサ・シメカ・ケネリム&ブランドン・フレイジャー組が、様々なプレッシャーを力強くはねのけて、世界チャンピオンの座へと上り詰めた。
「なんだか現実のものとは思えません。でも自分たちがやり遂げたことを、大いに誇りに感じます。2人が厳しい練習に耐え、あらゆる準備を積んできたことの証拠でもあります」
出場選手の中で五輪最上位の2人は、大本命に相応しい堂々たる演技を披露した。長いシーズンの終わりに、ショートもフリーもノーミス&パーソナルベストで終えられたのは同組だけだったし、力強さと洗練さを併せ持つパフォーマンスは、見る者の胸に強い印象を刻みつけた。
なにより、芸術性の高い演技でショートを2位で折り返した同国アシュリー・ケイン=グリブル&ティモシー・ルデュク組が、ケインの転倒・脳震盪でフリーを途中棄権した直後ーーそのまま救急車で搬送され、経過観察のため病院で一泊。翌日に宿泊先へと戻ることを許されたーーいまだざわつきの残るアリーナで、シメカ・ケネリム&フレイジャーは驚異的な集中力を発揮する。
「少し動揺しました。こういうことが起こり得るのだ、と改めて現実を思い知らされたのですから。でも頭を切り替えて、集中力を切らさぬよう努力しました。あらゆるエネルギーを注ぎ、ただ自分たちのスケートをしようと心がけました」
その滑りは揺らぐことのない自信に満ちていた。フリーの技術点だけで2位以下に9点近い大差をつけ、トータルでは五輪で記録した自己ベストをやはり9点近くも塗り替えた。
人生のパートナーであるクリスと、幼い頃から共に励んできたデニーとがそれぞれ引退を決めた後も、シメカ・ケネリムとフレイジャーは競技に対する強い情熱を貫いた。もっとアスリートとして戦いたい。こんな意欲に突き動かされるように、新たなパートナーの手を取ってから、わずか2年後の戴冠だった。またアメリカペアにとっては、1979年大会以来43年ぶりの世界選手権制覇となった。
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