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桁違いの高得点でネイサン・チェンが全米6連勝の快挙「今日は氷の上で、心の底から楽しめました」 | 全米フィギュアスケート選手権2022 男子シングルス レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部イリヤ・マリニン
フィギュアスケーターの両親を持ち、幼い頃から英才教育を受けてきた。今季はジュニアグランプリ2大会を制し、その高いポテンシャルは誰もが知っていた。11月には生まれて初めて出場したシニアの国際大会(オーストリア杯)では、3位表彰台にさえ飛び乗った。しかもSP13位と大きく出遅れてからの大逆転劇で、強い精神力と、それを可能にするずば抜けた技術力も証明済みだった。
それでもSPに4回転2本、FSには4回転4本を組み込み、そのすべてを軽々と完璧に成功させてしまったのだから脱帽だ!またシニアのFSはジュニアよりも30秒長く、構成面でも体力面でも決して移行は簡単ではないはずなのに、そのFSの演技後半に難度の高いジャンプコンビネーションを大胆に3つも入れた。SP・FS通してスピンで1つだけレベル3だった以外は、すべての要素でレベル4の評価も受け、決してジャンプだけの選手ではないところも見せつけた。FSでは約9点差をひっくり返し……いや、むしろ3位以下に12点ものリードを押し付けての銀メダル獲得だった。
「こんなにいい滑りができるとは予想もしていませんでしたし、なにより2位になれるなんて考えてもいませんでした。すべてが楽々と進んで自分でも驚いています」
マリニン本人は北京行きも願っていたそうだが、残念ながら補欠止まり。ただし3月の世界選手権には正式な代表として出場予定だ。その前に、どこかの大会で、得点を出す必要もある。というのもシニア人生で唯一の国際大会であるオーストリア杯の、大失敗したSPで、世界選出場に最低限必要とされる技術点をぎりぎりで取れなかった(33.78点、必要点は34点)。ちなみにFSは余裕でクリア済み(85.77点、必要点64点)。
逆転を許し、SP2位からトータル3位で終えたヴィンセント・ジョウだが、その果敢な攻撃的態度は称賛に値する。SPでは冒頭の4回転ルッツ+3回転トーループだけで21.29点という高い得点を叩き出し、首位ネイサンまでわずか2.61点差につけた。
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